PTA事例紹介 流山市立おおたかの森中学校生徒活動後援会

PTA事例紹介 流山市立おおたかの森中学校生徒活動後援会

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PTA 事例紹介

PTA活動内容やICT利活用などの事例の一覧です。

Case Study

協力いただいたPTAの皆様、ありがとうございます!

流山市立おおたかの森中学校 生徒活動後援会 

お話しを聞いた方

戸崎様 後援会副代表(2020年度PTA副会長)
髙橋様 後援会会計(2020年度PTA会計)
矢倉様 2023年度会長(単P)
金井様 2023年度会長(市P連)

インタビュー日付

2024年9月4日

PTAホームページ

流山市立おおたかの森中学校 ≫
戸崎様 髙橋様 矢倉様 金井様
戸崎様 髙橋様 矢倉様 金井様
近日公開予定

おおたかの森中学校

おおたかの森中学校

流山市は、都内へのアクセスの良さから、近年、子育て世代を中心に人口が増加し続けています。
流山市立おおたかの森中学校は、2015年4月、おおたかの森小学校との小中併設校として創立されました。

おおたかの森中学校PTAは、PTA改革により、2024年度から「親の会」として生まれ変わりました。このPTA改革と同時に、部活動や学校の教育活動への金銭面の支援を目的とする「後援会」のあり方も変わったということです。「親の会」と連携する「後援会」の活動についてお聞きしました。

PTA改革

おおたかの森中学校PTAは入学時に自動的に加入するPTAでしたが、2020年、併設するおおたかの森小学校PTAから、足並みを揃えて入会届の整備をやらないかと提案があったことをきっかけに、任意加入制への改革に着手することになりました。ちょうどコロナ禍でPTA活動はストップしていた時でした。
当時のPTA役員だった戸崎さんと髙橋さんは、まず、コンプライアンスや個人情報保護についての情報をネットや書籍で集めることからスタート。規約など全ての資料を作り直す作業は本当に大変だったそうです。

2021年5月までに、Zoomを使っての説明会を3回実施。
「PTAを無くす気なのか?」などの意見も寄せられましたが、資料を書面で配布してWEB総会にて決議されました。それまで約700名いた会員のうち、入会届を提出したのは、約40名だったそうです。

委員会を廃止し各学級から2名ずつ、主に会費の集金業務を行う学年サポーターを募集し、立候補した人が活動を担う体制に変わりました。2022年度からはボランティア制をスタートし、運動会と合唱祭のお手伝いを募集しました。

また、全ての学校行事を精査し、併せて支出の見直しも行ったことで、年に3,000円だった会費は2000円に減額されました。2023年度には、ペーパーレスを推進し、印刷物の配布や広報紙の発行などもやめたことで、さらにPTA会費を年1000円に減額しました。

流山市の中でも特におおたかの森地域は新しい住民が多く、昔のことを言う人が少ないため、改革もしやすかったそうです。地域の皆さんも、変化を受け入れてくださっていて、スリム化していくことへの抵抗もなく、スムーズに進めることができたそうです。

入会無し、会費無しの「親の会」へ

2024年度からおおたかの森中学校PTAは、「親の会」になりました。 ポイント制が廃止されてから、保護者にPTAに対する関心の薄さやマイナスイメージが蔓延していたため、「これまでのPTAとは違う」ということを印象付けるイメージチェンジのため名称を変えることにしたということですが、実はそれだけではなく、会費は無しに、会員という概念も無しにしました。これは、大きな改革です。

当時は、会員、非会員の区別なくボランティア募集を行っていましたが、非会員の人はPTA総合補償制度の対象外なので、そのことを説明する必要がありました。そこで、会員、非会員という区別が生じないようにするため、入会制度自体をやめるという結論になったそうです。現在は、PTA総合補償制度には加入していませんが、ボランティアの個人情報を扱うので、個人情報漏えい補償制度には加入しているそうです。

また、お金のかかる活動は無く、支出は、Wi-Fi、個人情報漏えい補償制度の保険料ぐらいなので、PTAで行っている制服リユース販売の収益を運営費に充てています。会員から集めた会費で運営するわけではないので、年度内に予算を執行しなければならないなどの縛りもありません。しかし、2025年度より制服が変わることになり、今後の収益には不安もあるようです。

PTAではなく「親の会」になったことで、2023年度をもって、市P連から退会もしました。

市P連の輪番制に疑問を感じていたため、2020年度の改革時から退会を検討しており、2023年度に輪番制で回ってくる会長職の役目を終えてから退会をするということが引き継がれていたそうです。また、金井さんは、市P連会長として市P連の内情を把握していたので、退会しても問題なしという判断もできました。

「親の会」は、保護者みんなの会です。保護者は等しく「親」の立場で、できることに関わっていきましょうと呼びかけています。主な活動は、体育祭と合唱祭のお手伝いなど学校へのマンパワーの提供。そして、地域の補導員の募集や、地域団体との連携です。

役員は、メールで募集をし、フォームより応募してもらいます。会長、副会長、書記、会計がそれぞれ2名ずつ、計8名。それぞれが2名いることで、相談をすることができるというメリットがあります。二人なら会長をやってもよいという返事ももらいやすいということです。

後援会を独立

創立当初より、部活動や学校の教育活動への金銭面の支援を目的とする「後援会」の機能がPTAの中にありました。千葉県では「後援会」がある公立中学校は少なくないそうです。後援会とPTAの集金袋は別になっていますが、PTA会費と同時期に集金して、PTA役員が後援会費を管理していました。

PTAで任意加入の改革が始まった2020年、学校から、「PTAと後援会のお金を分けて考えたほうがよいので後援会はPTAから独立できないか」という相談がありました。学校は、PTA改革に合わせて変えるべきだと考えたのだと思いますが、当時のPTA役員だった戸崎さんと髙橋さんは、改革だけでも大変なところにその対応もすることとなりました。

会計担当の髙橋さんは、支出内容を精査し、学校が負担するもの、後援会が負担するもの、PTAが負担するものを仕分けて、学校にも確認の上、PTAとは別の団体として後援会は独立することになりました。これにより、後援会費は後援会が集めるという本来の形になりました。

集金した後援会費は、学校に渡した後、まず部活動費として部員数に応じて支出されます。残金の使い道は学校に一任し、決算報告をもらって、後援会が監査するという仕組みです。

独立前は、一口2,000円で集金していた後援会費も、2021年にはPTA改革に合わせて任意となり、PTA会費の減額に伴い、こちらは3,000円に増額しました。

2024年度は、「親の会になりPTA会費の徴収がなくなったので、その分を是非、後援会への寄附をお願いします。」と親の会から声掛けをしています。寄付の金額は、一口3,000円・4,000円・5,000円から受け付けています。寄付にあたっては、個人情報を収集しないよう、無記名で行っているそうです。

子どもたちのために

後援会が独立した2021年度からこれまで、当時のPTA会長、副会長、会計だった3名で運営しています。子どもたちの活動が円滑にできるようにという純粋な思いで活動しています。

今年度は、大会への出場も増えていて、より支出が増えているとのことです。喜ばしいことですが、後援会の寄付が任意となり、部活動の支援のための十分な寄付が集まらないことが悩みとなっています。

将来的には生徒数の増加が見込まれ部活の道具が足りなくなったり、学校創立から10年が経ち学校の備品も古くなっていたり、後援会の援助はますます必要になっていきます。 本来は、後援会が無くても学校の運営が成り立ってほしいという思いもありますが、子どもたちに十分なことをしてあげられるよう、後援会では、今後も保護者への声掛けを行っていくということです。

インタビューを終えて

おおたかの森中学校では、親の会と後援会、そして学校が協力連携しながら、おおたかの森中学校の子どもたちの部活動や学習環境を支えています。 親の会は、肩の力を抜いて、気軽に参加できる活動を目指していることも時代に合った流れだと思います。ただ、これはPTAの関りが少なくなる中学校だからこそできたことかもしれません。

しかし、こんなに改革をしていても、今回お話を聞いた4名の皆さんは、保護者同士のつながりが希薄になっていたり、我が子だけではなく、全ての生徒のためにという考え方が薄らいでいたりする風潮を気にされていることも印象的でした。

効率化、スリム化により、PTA活動の負担感はなくなるかもしれません。でも失わない方が良いものもあるというのも事実です。しかし、その両立は難しいのかもしれません。 この改革のために、話し合う回数も多く負担は大きかったけれど、その分、良い関係性ができたとのこと。このような仲間ができることもPTA活動のメリットの一つですね。

Case Study
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