PTA事例紹介 埼玉県教育局による参考事例

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より良いPTA活動にするための参考事例

埼玉県教育局 町村支援部生涯学習推進課

全国PTA連絡協議会
本ページの内容は、より良いPTA活動にするための参考事例として、埼玉県教育局が情報提供している様々な工夫や配慮をすることで魅力のあるPTA活動を行っている団体の事例を引用し、作成しています。
出所:埼玉県教育局 より良いPTA活動にするための参考事例 第2集 2021年 ≫  第3集 2023年 ≫ 

埼玉県教育局は「より良いPTA活動にするための参考事例」には、次のような記述があります。

PTAは、社会教育法に基づく社会教育関係団体に位置付けられ、公の支配に属さない団体とされています。併せて同法では国や地方自治体は統制的支配や事業に干渉を加えることができないとされ、自主的民主的な運営が求められています。

保護者と教職員により構成されるPTAは、家庭や学校における教育に関して相互に理解を深める団体であり、児童生徒の健全な成長を図る上で極めて重要な役割を果たしています。

組織や活動をスリム化

組織を見直す取組

既存の組織を再編し、ボランティア制を導入することで、地域と協働している事例があります。「できる人が、できる時に、できることを」をモットーに、PTA本部と学校応援団が連携し、ボランティア活動の基盤づくりに努めています。

「ボランティアの募集では参加者が確保できないのでは?」と心配する声もあると思います。この団体では本部がボランティアを募集し、その参加者数と作業内容のバランスで活動を変更しています。

ボランティアは絶対やらなければならない活動ではないので、人数が集まらないような場合は活動をお休みします。また、どうしても実施しなければならないことがあれば学校側とも相談しながら再度募集をかけるなど柔軟な活動を目指しています。

  • この団体では、委員会の組織を再編するにあたり、数年間に渡って会員の方々に丁寧な説明に努めてきました。今後も、会員からの意見を聞きながら、更にやりたいと思える活動への改善に努めていくとのことです。
組織を見直す取組

事業の費用対効果の検討

アルミ缶の資源回収も貴重なPTAの収益となり、子供たちの教育活動に還元している事業です。その一方で収益額が少なく、委員の負担が大きいことから、例年行われていた事業を廃止した団体があります。これにより、委員の負担軽減と委員数を見直す良い機会となっています。

除草作業の運営改革

草取り大清掃は、親子・地域の方々と一緒に行う教育的意義のある活動です。この準備に向けて事前登録(名簿づくり)をやめ、当日集まった参加者ができる範囲の大清掃を行った事例があります。また、参加者に道具を持参してもらうことで、役員が備する手間が省け、役員の負担軽減にもつながっています。

オンラインの活用やDX化

SNS等の情報共有こそ、小さな配慮で信頼度UP

役員会や理事会などの運営に、多くの団体がSNS等を活用しています。SNS等を活用することで、会員同士の情報共有が気軽にでき、即時性のある運営が可能になります。しかし、会員の中にはSNS等のグループ共有を望んでいない人がいる可能性があります。そうした人を考慮し、会を催す「長」が一年間の限定であることを説明した上でSNS上にグループをつくり、活動の任期終了に伴い、会を催す長が自らグループ共有の解体を促すなど「みんなで始めて、みんなでやめる。」ということに配慮した団体があります。
  • SNS上におけるグループの共有を望まない方に無理強いをすることは好ましいことではありません。そうした場合は、電話等で意思の疎通を図るなどの適切な配慮に心がけている団体もあります。

オンライン会議による情報共有

SNSやメール等の文字だけでは、意図していることが伝わらなかったり、誤解を生じたりすることがあります。
本来であれば、直接会って話し合うことが望ましいところですが、コロナ禍の今、オンラインの画面を通して会合を実施している団体が増えています。

オンライン会議では時間、交通費、会議室の準備、コストが削減できるという利点があるほか、意思決定のスピードが格段に上がったという話も耳にします。
一方で、Wi-Fi環境が整っていなかったり、オンライン会議に必要な機器がなかったりする家庭があります。また、Wi-Fi環境が整っていても機器の操作が分からないことも想定されます。そうした家庭にも配慮し、支援できる環境を整えることが大切です。

クラウドサービスを利用した情報共有

PTA専用のサイト(業務アプリを作成するクラウドサービス※有料)を利用し、業務を円滑にしている団体があります。このサービスを利する際には、以下の利点と配慮点があります。
利 点
  • Wi-Fi環境があれば、各組織の連絡相談などの情報共有がいつでもどこでもできる。
  • 全会員にお知らせや募集、調査ができ、集計等の業務処理が楽にできる。
  • 今までの記録を一元管理でき、引継ぎが容易にできる。
配慮点
  • このサービスについて、全会員にむけて目的や費用も含めて丁寧に説明し、同意をもらうことが必要になる。
  • インターネット環境の整っていない会員への配慮が必要になる。

PTA活動のDX化

DX化を進めることで、活動の効率化や負担軽減が図られる他、情報の発信・収集等、多くのメリットがあります。
PTA活動のDX化については、次のように対応している団体がありますので、参考にしてください。
  • PTA総会をオンライン開催にし、投票等も電子媒体からできるようにした。
    → 紙媒体の減少だけでなく、PTAの活動を広く周知することができた。
  • ICTを活用し、ペーパーレス化を図った。
    → 役員同士の引継ぎがスムーズにできるようになった。 Web上でどこでもアクセスできて便利になった。
    アンケートの配布や集計、結果の公開についてもスムーズにできるようになった。
  • PTAの情報や地域の情報等をアプリを通して配信することにより利便性が高まった。
  • 会議を集合とリモートとのハイブリッドで開催した。

コンプライアンス

入退会について

PTAへの入退会は任意であり、義務ではありません。
また、入会や退会については、本人の意思によるものですので、自動加入や強要することは避けなければなりません。
入会については、次のように対応している団体がありますので、参考にしてください。
  • 新入生家庭には入学説明会でPTAの案内をするが、役員選出はしない。まずはボランティアで活動参加してもらい、PTAが強制ではない、自主的で自由な取り組みであることを感じてもらう機会としている。
  • 入会は任意であることを徹底周知し、入会について、疑問や心配事がある場合には、相談に応じ、本部で柔軟かつ、丁寧に対応している。
  • PTA活動や加入するメリットについて説明した上で、入会の意思確認を書面(入会届)でとっている。

個人情報の取り扱いについて

2017年5月に改正個人情報保護法が全面施行され、PTAも個人情報取扱事業者に含まれています。
そのため、PTA活動を実施する際は、法の規定に基づき、適切に個人情報を取り扱うことが必要です。個人情報の取り扱いについては、次のように対応している団体がありますので、参考にしてください。
  • 内規の個人情報取扱規則を見直し、個人情報を取り扱 う担当者について研修を行うと共に、誓約書を書くこと で、個人情報を収集した目的外に使うことのないよう徹 底する体制に改めた。
  • 入会の場合は「個人情報保護規則及び集金業務委託に関する同意書」にて、学校徴集金と同時にPTA会費も集金することに同意していただいた。

組織の運営

PTA組織の活動について

時代の変化に伴い、PTA組織を見直すことも主体的な活 動につながります。 PTA組織について次のように対応している団体がありま すので参考にしてください。
  • 役員は希望者による完全立候補制とした。
    → できる人ができることを実施する体制に切り替えることで新しい活動に意欲的に取り組むようになった。
  • 環境等の変化に伴ってPTAとしての活動内容を見直し、 会合開催数の削減を図る等、PTA活動の効率化を図った。
    → 役割が明確になり、主体的な活動になった。
  • 「○○小サポーター」としてのボランティア組織を新しく設置した。
    → 強制的な当番活動ではなく、「できる人が、できる時間に活動する」主体的な参加型活動が多くの支援につながった。
  • アンケートで会員や入会を検討中の方の意見を聞き、体制の再構築を行った。

PTA活動の運営の「見える化」

PTA活動の運営の透明性が信頼につながります。また、 活動の目的や意義が伝わり、よりよい活動となります。 PTA活動の運営の「見える化」について次のように対応 している団体がありますので、参考にしてください。
運営費や会費の用途の見える化
  • 会計の出納帳をデジタル化し、閲覧できるようにした
  • 「PTA会費の流れ(どんなことに使われているか)」を 作成し、会員へ周知している。
  • 会費の支出についてPTA総会で周知している。会費の使 用が大きく変わる際は理事会で本部役員、各学年代表に 意見を求めている。
運営の見える化
  • PTAのブログを開設。会員はそのブログ からPTAの運営状況を知ることができる。
  • 運営会議で話された内容を全家庭に電子 で配信している。
PTA連合会の支援
市PTA連合会で、各学校PTAの組織・運営・会費・活動の 状況をまとめた「見える化プロジェクト」を推進している。

その他の取組

効率的なベルマーク集計の工夫

ある団体では、校内にベルマーク回収ポケットとインクカートリッジ回収箱を設置し、保護者だけでなく子供も活動できる取組をしています。
ベルマーク回収ポケットは、右の画像のように指定の番号に合わせて、ベルマークを入れるものです。ベルマークやカートリッジを所定の場所に集めてもらうことで、役員の負担軽減を図るとともに密集を避ける工夫をした事例です。

主な手順
  1. インクカートリッジを子供が回収箱に仕分ける。
  2. 委員が自宅で小集計の作業を行う。
  3. 小集計を持ち寄り、本集計作業を行う。

魅力あるPTA活動

PTA活動は各学校のPTAが自主的に判断して行います。魅力ある活動の事例を紹介します。
  • PTAと学校応援団や消防本部との共催で、防災キャンプや防災教室の実施
  • PTAと地域が協力し、5年生の田植え・稲刈り体験
  • 児童・保護者が楽しく参加できる活動「星空観察会」「子ども夏祭り」
  • 保護者の高校見学会を実施
  • PTA主催の保護者向けAED講習会、家庭教育学級の実施
  • PTA会員の意見を取り入れながら、年間の活動を計画

事例に挙がっているPTA活動は、会員の総意のもとに実現しています。総会で決議するだけでなく、新規・変更内容を予め、お便りやホームページ等 を活用して理解を求めることが大切です。

Case Study
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