契約の切替、PTA活動助成制度、不登校保険など
PTA役員として知っておくべき補償制度

PTA活動に関連した補償制度
保険の団体契約
一般的な団体契約は、企業や団体などが契約者となり、その従業員などを被保険者とする保険契約のことです。団体割引が適用され保険料が割安になることや、保険証券が団体に1通のみ発行される点が特徴です。企業にとっては福利厚生制度の一環となり、従業員にとっては経済的な負担軽減につながります。
団体契約の補償制度
PTA保険 PTA総合補償制度 個人情報漏えい補償制度 |
子どもの保険 こども総合保険、24時間補償 園児・児童・生徒 | |
---|---|---|
加入者 | PTA団体
|
保護者の皆様 |
被保険者 | PTA会員や当該学校園の園児・児童・生徒など | お子さまやご家族など |
契約者 | 団体契約のため全国PTA連絡協議会、 | |
ご利用 | PTA活動に合わせ、 |
PTAはパンフレットの配布のみ、加入は各保護者判断 |
補償対象 | PTA活動中 | 24時間 |
補償制度の切り替え
当協議会では、現在ご利用中の保険や共済からの切り替えについて、以下のような相談をいただいています。- 上部団体を退会するので、今までの保険や共済が使えなくなるので、どうしたらいいか。
- 利用している保険契約を見直したら、10年前のままで、補償内容や補償額に不安がある。
- 個人情報漏えい、役員プロテクト、こども110番の家などの新しいリスクに、加入している保険が対応していない。
- PTA団体として会員登録をいただくことで、PTA保険、子どもの保険いずれもご加入いただけます。
- 会員登録にあたっての金銭的、人的なご負担はありません。また、地域ネットワークとして重要な役割のある市区町村PTA連合会に加入を継続したままで、会員登録、補償制度や各種サービスを利用いただけます。
- PTA保険は、子どもの保険いずれも、月単位での中途加入が可能ですので、切り替えのタイミングにあわせて加入いただけます。
PTA活動助成制度
当協議会では、2026年度より、子どもの保険(園児・児童・生徒総合補償制度)に関する度運営費と集金事務費を原資としたPTA活動助成制度を開始します。希望される会員PTA団体の皆様に対して、当協議会の規定の範囲内で、PTA活動助成金を支給します。
- 当協議会では、団体契約である園児・児童・生徒総合補償制度の契約者として、加入者の皆様からいただく掛金の中から、制度の運営に必要な制度運営費の他、保険会社より集金事務費を受け取っています。
PTA保険とは
PTA保険とは
PTA保険とは、単位PTA(学校ごとにあるPTA)が、行う様々な活動において、PTA会員の皆様が安心して活動を行うえる二つの保険「PTA団体傷害保険」と「PTA賠償責任保険」を指します。PTA保険を利用される場合、この二つの保険を契約いただくことが一般的で、オプションは、各PTAの活動内容に応じて加入されるのが一般的です。
PTA保険 | = | ① PTA団体傷害保険 | + | ② PTA賠償責任保険 | + | ③ オプション |
単位PTA
単位PTAとは、学校単位のPTAを指すのが一般的です。一方で中高連携型の中高一貫校などにおいては、、学校は別ですが、複数の学校をひとつのPTAが運営している場合もあります。PTA保険を利用される場合、単位PTAが契約者となります。団体割引が適用される、団体契約の場合は、全国PTA連絡協議会が契約者となり、単位PTAの皆様は加入者となります。
PTA団体の名称
PTA(Parent-Teacher Association、保護者と教師の会)の意義は、子どもの健全な成長を目的とし、保護者と教職員が協力して学校教育の振興を図り、子どもの生活環境をより良くすることです。
具体的には、保護者と教師が連携して、学校と家庭における教育への理解を深め、学習活動や地域社会との連携を通じて、子どもの成長を支える活動を行うとされています。
PTA保険を利用される場合、団体の主たる活動が、上記を目的した活動であり、実態が所属学校園との連携組織であれば団体名称は問いません。「○○○保護者会」「○○○サポーター」などの名称でも補償制度に加入いただけます。
PTA行事とは
PTA行事とは、日本国内においてPTAが企画立案し、事業主体としてPTAが主催または共催する行事をさします。PTA保険の補償範囲は、PTA行事の参加中に加え、その行事に参加するため自宅から開催場所までの往復途上も含まれます。
- 夏祭りやお餅つき大会などの行事
- バザーなど行事
- バレーボール大会などのスポーツ行事
- 校庭開放など居場所づくり事業
① PTA団体傷害保険とは
PTA保険 | = | ① PTA団体傷害保険 | + | ② PTA賠償責任保険 | + | ③ オプション |
加入者と被保険者
PTA団体傷害保険とは、単位PTAが加入者となり、以下を被保険者とした傷害保険です。- PTA会員(保護者会員および教師会員)
- PTAとして活動する学校・幼稚園・保育園に在籍する園児・児童・生徒
- PTA会員の同居の親族
- PTA行事への参加が事前にPTAにより認められている方(ボランティアなど)
- ご契約の際、会員名簿を備え付けいただくことを条件とし、契約時に被保険者名を記名せずに契約する方式(割増不要)での対応が可能です。
補償内容
PTA活動やPTA主催行事に参加中のPTA会員や園児・児童・生徒などが偶然な事故によりケガをした場合に補償される保険です。細菌性食物中毒により中毒症状を発生した場合も補償される特約も付帯されていますので(割増保険料はありません)PTA活動にはなくてはならない保険です。こんなときにお役に立ちます
- 夏祭りにてPTA会員がヤキソバを焼いていた際、ヤケドをした
- PTA会員が体育祭(運動会)の来場者誘導等活動中、校庭で転倒・ケガをした
- バレーボール大会参加中、PTA会員が突き指をした
- PTAによる校庭開放・見守り活動中、飛んできたボールに気づかずぶつかり負傷した
- PTA役員会に参加のため、往復途中、交通事故に遭いケガをした
② PTA賠償責任保険とは
PTA保険 | = | ① PTA団体傷害保険 | + | ② PTA賠償責任保険 | + | ③ オプション |
PTA賠償責任保険
PTAが企画、立案、主催するスポーツ大会、講演会などの行事遂行に伴う事故により生じた他人の身体の障害または財物の損壊に起因して、PTAが法律上の賠償責任を負担することにより被る損害、ならびに日常生活におけるPTAの児童・生徒の個人賠償リスクを補償する特約です。
PTA賠償責任保険は、加入が必須の「PTA管理者に対する賠償責任」とオプションの「園児・児童・生徒に対する賠償責任」がセットになっています。
PTA管理者に対する賠償責任
PTA活動において過失や不備があり、その結果第三者の物を壊したりケガを負わせた場合、または第三者より借用したものを壊してしまった場合の法律上の賠償責任を補償するものです。具体例
- PTA会合にて使用していた会場にて、誤って会場備品を破損してしまった。
- PTAソフトボール大会で隣家の窓ガラスを割ってしまった。
- 保護者より借りた事務機器をPTAの作業中に落として壊してしまった。
- 講演会を開催したところ、担当していたPTA役員の誘導ミスにより参加者が将棋倒しになりケガ人が出た。
- PTA主催の野球大会で案内板の設置ミスにより、案内板が突然倒れたため見学人がケガをした。
園児・児童・生徒に対する賠償責任
PTAの管理下・外を問わず、PTAの児童・生徒自身の行為に起因して第三者に与えた身体の障害または財物の損壊につき、法律上の賠償責任を補償します。オプションとして加入を選ぶ形の契約で、主に自転車通学時における賠償事故に備えるための加入が大変増えています。具体例
- 通学途中、自転車で停止中のクルマに接触。クルマをキズつけてしまった。
- 休み時間中、友人とふざけていたところ、誤って学校のガラス窓を割ってしまった。
- 階段を駆け上がっていたところ、他の生徒にぶつかりケガを負わせてしまった。
③ オプション
PTA保険 | = | ① PTA団体傷害保険 | + | ② PTA賠償責任保険 | + | ③ オプション |
時代の変化に伴い注目されている新たなリスク
- 対策はしていても、万一の個人情報漏えい事故
- 近隣や保護者トラブルなど、会長に対する訴訟リスク
- 協力をお願いしているこども110番の家での事件や事故
前例踏襲のままにせず、万一に備えた補償内容の確認は大切です!
生産物賠償責任保険
生産物賠償責任保険(PL保険)は、本来、企業や事業者が製造・販売した「生産物」や、行った「仕事の結果」が原因で他人に損害を与えた場合に法律上の損害賠償責任を負うことになった際に、その損害を補償する保険です。PTAの場合、PTAが提供する物品(例えば、イベントで配布した食品や、PTAが企画したイベントで利用する用具など)が原因で事故が発生した場合に、PL保険の考え方に基づいた補償が適用されます。具体例
- PTAがバザーで販売した手作りの食品や物品が原因で、購入した人が食中毒やケガを負った場合の賠償
- PTA主催のイベントで提供した飲食物が原因で、参加者が体調を崩した場合の賠償
個人情報漏えい保険
個人情報漏えい保険(サイバーセキュリティ保険)は、PTAが会員の個人情報を不適切に管理してしまった場合や、サイバー攻撃などによって個人情報が漏えいした場合に、PTAが負うことになる法律上の損害賠償責任や、事故対応にかかる費用を補償する保険です。
損害賠償金だけでなく、調査費用、再発防止費用、謝罪広告費用、弁護士相談費用、見舞金などの各種対応費用も補償の対象となることがあります。
役員プロテクト保険
役員プロテクト保険とは、PTA役員が、PTA活動中に受けた事実無根のクレームや第三者とのトラブルなどによって、弁護士に相談したり法的手段を取ったりする際に発生する費用を補償する保険です。
こども110番の家保険
こども110番の家保険とは、PTAなどが地域活動として実施する「こども110番の家」運動において、子どもを助けるために活動している協力者(家・商店など)が、不審者などから被害を受けた場合に、見舞金を支給する制度です。
この制度は、協力者が安心して活動できるよう、PTA団体等が保険契約に基づき見舞金を支給するもので、損害を受けた際の「保険」として機能します。
選べるPTA補償制度
当協議会では、複数会社の補償制度をご用意しており、各PTAの皆様が、補償内容を比較検討して加入いただけます。またいずれの補償制度も、市区町村PTA連合会など上部団体に加入したままでもご利用いただけます。
お子さまの保険・補償制度
不登校保険
当協議会では、「園児・児童・生徒総合補償制度」のオプションとして、不登校の事由が発生した場合、保護者に対して支援金を支給する制度「学びの機会支援制度(仮称)」の準備を進めています。詳細が決まり次第、ご案内いたしますので、少しの間お待ちください。
団体契約の補償制度
お子さまや保護者の皆様を対象とした総合補償制度で、ケガによる入院・通院や病気による入院、または第三者に対する損害賠償責任事故などを24時間、総合的に補償いたします。
お子さまの保険・補償制度については、PTAからのご案内として、保護者の皆様へのパンフレット配布やPDFの配信などが行われています。補償制度は、各ご家庭での判断で加入するもので、任意加入の保険です。
園児・児童・生徒総合補償制度には、個人会員プランや地域版プランなどいくつかのプランがありますが、以下のプランは、前記の PTA活動助成制度 ≫ の対象です。
選べる親子のための保険
お子さまを対象としたPTAの団体保険は「園児・児童・生徒総合補償制度」などを始め、パッケージ型で幅広いリスクを網羅したものが団体保険が主流です。
一方で、PTA未加入で利用できない、個別のニーズに応えられていない、既に利用されている保険と重複しているなどのお声もいただいています。
当協議会では、もっと自由な発想で、保険のあり方を見つめることにより、ご家庭のニーズやライフスタイルに寄り添い、必要な補償だけをムダなく、シンプルに応える保険商品も必要であると考えています。
