一般社団法人 全国PTA連絡協議会

最大の役割は「市内の単Pを支える」こと
奈良市PTA連合会

作成:2024/07/24  更新:2024/08/01
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事例紹介 … 奈良市PTA連合会

お話しを聞いた方

山野賢二 様
22023年度~ 会長
岡田由美子 様
2013年度~2023年度 事務局長

インタビュー日付

2024年6月29日

連合会ホームページ

奈良市PTA連合会 ≫
山野様と岡田様

1976年(昭和51年)から「任意加入」を呼びかけ

奈良市PTA連合会

PTAの任意加入」、「PTA入会申込書」という言葉がメディアで話題に上るようになったのはこの数年のことですが、なんと奈良市PTA連合会(以下、「奈良市P連」)では1976年にPTA改革を行い、より協力・団結できる『民主型活動体』の連合体へと形を変え、同時にPTAは任意加入の組織であることを伝えてきました。

「正しいPTAのあり方を貫き通してきたのが奈良市P連です。」と言う前事務局長の岡田さんは、「任意加入」のことが世の中で話題になって初めて、多くのPTAではそのような運営をしていないということを知ったそうです。

奈良市P連のHPでは、市P連の最も大切な役割として、「単位PTAを支えること」と明記されていますが、お話を聞いて、確かに単Pにとって頼りになる連合会の姿を知ることができました。

約9割の単位PTAで入会申込書

奈良市P連は、県内公立の幼稚園から高校までの75のPTAが加入しています。
2019年度に、正式に奈良県Pを退会しました。 その最大の理由は、任意加入についての意見の相違があったことだったそうです。

「任意加入」について、そのような歴史のある奈良市P連ですが、実際にどのくらいの学校が入会申込書を導入しているのかが把握できていなかったので、2016年、実態調査を実施したところ、入会申込書を取っているのは、加入PTAの約四分の一に過ぎないということがわかりました。

そこで、年度初めに行う単P役員向けの学習会で入会申込書を取ることを説明すると同時に、毎年実態調査を行い、その結果をグラフにして、見える化をしてきました。

それが功を奏したのか、昨年度の調査では、89%の単Pで入会申込書を取るまでになったそうです。
連合会ぐるみで取り組んだ成果と言えるでしょう。

ほとんどの単Pで入会率は90%ぐらいということですが、中には30%程度のところもあるそうです。
古くから入会申込書を導入しているところほど、その土壌がしっかりしているためか、入会率は良いそうです。

手厚い単位PTA支援体制

奈良市P連のホームページには、「PTA運営の手引き」、「PTA役員選考について」、「次年度へのスムーズなバトンタッチ」など、PTAの運営に役立つ様々な資料が掲載されています。

これらは、年数回テーマごとに開催する部会(学習会)の資料だということですが、時代が変われば、役員の悩みも変わってくるので、質問や相談が多かったところを重点的に、毎年、内容を更新しているそうです。

資料作成、更新を担当する事務局では、文字ばかりではなく、図やイラストを入れて、初心者でもわかりやすい資料作りを心掛けているとのことです。

また、全ての保護者に知ってもらいたい内容を取り上げて「全会員対象研修会」を開催しています。

これは、PTA会員ではない保護者、市P連に加入していない学校の保護者も参加できるそうです。

こちらの資料もホームページからダウンロードが可能です。

詳しい活動の内容は、

奈良市PTA連合会 部会活動 ≫

奈良市PTA連合会 研修活動 ≫

PTA運営の手引き
ダウンロード
PTA運営の手引き
ダウンロード

学校とも連携した市P連の運営

奈良市P連の理事は、輪番で決められていますが、以前に比べて、理事の担う仕事は大きく減っているそうです。
部会の運営は理事の仕事ですが、理事会で決定すれば、会場や講師の手配、資料の準備など、必要な業務は事務局が行います。

市P連の活動は強制ではなく、単Pのことを優先に関わることができます。
理事の横のつながりで相談をし合うこともあります。
最初は緊張していても、1年経つと表情も変わり楽しそうに関わってくれる人が多いとのこと。

また各単Pには、議決権を持つ代議員が3名ずついて、そのうちの一人は、教頭先生または園長先生だということです。
そこで、市P連から単Pへの連絡は、マ・メールを利用して、学校園の代表メールと保護者代議員の個別メールに送信しています。
教頭会でもメールを確認するように話をしてもらっているそうです。

全会員に周知していただく内容については、奈良市が導入している学校のさくら連絡網で各保護者へ配信されています。
前述の「全会員対象研修会」の際には、市P連に加入していない学校にも校長先生にお願いし、さくら連絡網で保護者に周知していただいたそうです。

研修会の内容について、先生方から意見をいただくこともあり、市P連の運営は、学校とも連携をしながら行われています。

マ・メール マ・メールとは、学校や保育園、PTAの子どもの安全、などのメッセージをメールで簡単に伝えられる配信システムで、グループ分けした特定の人だけに配信する「抽出配信」、メールを読んでもらったかどうかを確認できる「開封確認機能」「アンケート機能」などがある有料のサービスです。

入会申込書を取ると、退会する人が出てしまうということを不安に思うPTAもありますが、
連合会としてはどのように説明しているのですか?

「退会者がいても、かまわない。入会してくれた人たちでやれることをやればよい」と伝えています。

そのためか、単Pでは、退会者が出ることを恐れなくなりました。
連合会からは、「入会者が減って会費収入が減っても、その予算内でやればよい」と伝えていて、その考え方が浸透しています。

奈良市のPTAでは、入会申込書の整備だけではなく、非会員への対応も差別なく行われていますか?

「PTA運営の手引き」を作成してHPに掲載したことで、役員だけではなく一般の保護者や教員にも「PTAはこういう組織である」ことが伝わったと考えています。

印刷して全保護者に配布したPTAもあります。
しかし、会長の考え方によっては、このことが崩れてしまう可能性もあるので、毎年、伝えていかなければならないと考えています。

今後、こうしたいという会長のお考えをお聞かせください。

「子どもたちの笑顔のために楽しくPTA活動をやっていきたい」ということが基本です。
自分たちが笑顔でないと子どもたちも幸せではない。先生方にも笑顔でいていただきたいと思っています。

しかし、市内のPTAでもコロナ禍以降、「活動のスリム化」「会員の負担軽減」という名目でやめてしまった事業・活動もあり、何よりも保護者同士の対話が極端に減っています。

今後は、保護者同士の連携、学校や地域との連携を意識して、子どもたちのために何が必要か、何ができるかということを常に念頭に置いて活動していきたいと思っています。
奈良市PTA連合会として、世の中の変化や動きを注視しながら、単位PTAのニーズや悩みや課題に寄り添いながら、時代に合ったPTAを模索していきたいと思います。

インタビューを終えて

これまで、部会や研修会の資料作成や開催準備、単Pからの相談対応、広報紙の発行と、多岐にわたる事務局業務を担ってこられた岡田さんは今年6月に退任されました。
事務局長の退任は、組織としては大きな問題です。

どのように引き継いでいくのかお聞きしたところ、今後もサポートはしていくものの、特に知見が必要と思われる相談対応では、これまで寄せられた質問と回答を資料として残す作業を後任の事務局長に担当してもらったとのこと。事務局業務を上手に引き継いでいく工夫をされているようでした。

組織や事業の継続性は、各連合会や協議会でも課題となりますが、「引継ぎのノウハウ」や知見の共有ということも今後考えていければと思いました。

会計の学習会の様子
学習会の様子
学習会の様子
全会員研修会(2024年)
研修会
全会員研修会(2023年)
研修会
事例紹介[一覧]
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