クレジットカード同様の利便性と、個人与信の問題を解決する決済方法
デビットカードをPTAで活用しよう!
- 一般的なデビットカードについての解説であり、詳細はカード発行会社によって異なります。
PTAでのカード利用
PTAでの会計事務の一つに「現金での精算作業」があります。PTA団体向けのクレジットカードサービスが提供されたこともありましたが、多くのPTAでは、クレジットカードを利用されていないのが現状です。
クレジットカードをPTAで利用できたら・・
- 現金立て替え、精算などの負担が軽減
- 利用明細のダウンロードで出入金管理
- 役員個人名義で契約をPTA名義での契約に
- クレジットカード決済のみのサービスも利用可能に
PTA名義カード発行の課題
当協議会では、PTA活動におけるクレジットカード決済利用の利便性は、必要なものであると考えており、PTA名義でクレジットカード発行について検討を重ねてきましたが、以下の課題を解決できていないのが現状です。
個人に対する与信
クレジットカード発行には、必ず審査があり、一般的には、任意団体であるPTAには与信がつかないため、発行の名義人となる個人(一般的には会長など)の審査が必要です。。
継続利用の問題
現会長のクレジットカード発行に問題がない場合でも、今後の継続利用を考えた場合、新たな名義人となる個人の審査は必要となります。
PTA団体として、クレジットカード継続利用を考えると、個人の審査が通らない場合のリスクを想定しなければなりません。
仮に、会長名義でクレジットカードを利用してきた場合、新しい会長となる方にとって「事前に名義人となることを断る」「審査の結果、発行できない」などのシーンは、あってはならないことと考えます。
デビットカードとは
基本的な仕組み
利用限度額=口座残高
デビットカードのご利用可能額は引き落とし口座の残高なので、使いすぎを防止する効果があります。万が一不正利用が発生しても、リスクの範囲が口座の残高に限られます。
ご利用可能額を設定することもできるので、PTAでの決済利用ででも安心して利用できます。
セキュリティ
デビットカードで、利用のたびにメール通知の設定すると、利用の都度、メールにて利用された旨が通知されます。
万が一不正に利用されたときでも、すぐに気づくことができて安心です。
年会費がかからないものが多い
プリペイドカードは年会費が発生しないものが多くあります。
チャージ金額や有効期限や更新方法などの条件は、カード発行会社によりさまざまですが、年会費という形での費用はかからないカードが一般てす。
利用で特典がつく場合も
デビットカードの中には、利用金額に対してポイントの付与や、キャッシュバックのあるカードがあります。
利用するほどポイントやキャッシュバックで還元されるので、現金で支払うよりもおトクと言えるでしょう。
海外での利用に便利
PTAでの利用には不要ですが、海外ATMで現地通貨を引き出しが可能なデビットカードがあります。
海外ATMで使用すると、現地の通貨を引き出すことができます。両替の手間が省けて便利です。
基本的な使い方・利用シーン
デビットカードは、現金やクレジットカード代わりに気軽に利用できる決済サービスです。
コンビニなど実店舗で利用
デビットカードは日々よく利用するコンビニエンスストアなどで利用できます。
利用する際は、クレジットカードと同様、デビットカード提示します。支払い回数を聞かれたら「一回で」と答えましょう。
インターネット上での決済に利用
インターネットショッピングや各種サービスでもクレジットカードと同様にデビットカードの利用が可能です。
支払い方法で「クレジットカード払」を選択し、カード番号、有効期限、セキュリティコードなどを入力します。
支払を選択すると、銀行口座から即時で引き落しされます。
海外ATMで現地通貨を引き出す
海外ATMでデビットカードを利用すると現地通貨を引き出せます。
両替所を利用する手間が省け、多額の現金を持ち歩く必要がなくなり安全です。
クレジットカードなどとの違い
デビットカードと似ているクレジットカード、プリペイドカード(電子マネー)との違いなどを説明します。
クレジットカード
クレジットカードは、月1回の支払日にまとめて支払う仕組みのカードです。
支払い方法は一括払いだけでなく、分割払いやリボ払いも選べます。
また、ATMから現金を引き出せるキャッシング機能がついているクレジットカードもあります。
デビットカードは、使用するたびに引き落とし口座から即時引き落としがされます。
また、支払い方法は一括払いのみで、キャッシング機能はついていません。
プリペイドカード(電子マネー)
プリペイドカード、電子マネーは、利用金額を事前にチャージして利用できるカードです。
チャージ金額を超えて使用することはできないので、不正利用などのリスクを軽減できます。
デビットカードは、事前にチャージする必要がなく、引き落とし口座から直接引き落とす仕組みです。
口座残高、または事前に設定した利用可能額以上の利用できないので、無駄遣いや不正利用などのリスクを軽減しやすい点は、プリペイドカード・電子マネーと共通しています。
デビットカード特有の注意点
PTAでの利用には影響が少ないと考えられますが、デビットカードならでは注意点があります。
分割払い・リボ払い
分割払い・リボ払いができないデビットカードは、即時引き落としのため一括払いしか対応しておらず、分割払いやリボ払いはできません。
利用限度額は口座残高
引き落とし口座の残高以上は利用できない引き落とし口座に入っている残高以上は利用できません。
また、利用可能額設定をしている場合、その金額が口座残高未満のときは、残高以下の金額でも利用できません。
キャッシングサービス
キャッシングサービスが利用できないデビットカードには、基本的にキャッシング機能はついていません。
ETCカード
ETCカードが発行できないデビットカードは、原則としてETCカードを発行することができません。
PTAでのカード利用にあたって
カード利用に潜む危険性
スキミング
特別な装置を使用して、カードの磁気ストライプに記憶されている情報を抜き出し、そこから偽造カードを作成して不正に利用するという手口です。現在は、スキミング対策として、偽造しにくいICチップ付きのカードが普及しています。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺とは、インターネットバンキングの偽ホームページや偽のショッピングサイトに誘導したり、宅配業者の不在通知などを装ったメールを送信したりして、そこに入力させた個人情報やカード情報などを使い詐欺行為を働く手口です。最近では、本物のサイトと見分けがつかないほど精巧な偽サイトも出てくるなど、十分な注意が必要です。
ネットショッピング詐欺
偽ショッピングサイトで「ブランド商品の特価販売」などと偽り、商品の代金を振り込ませたり、入力されたカード情報を不正に利用したりする手口がネットショッピング詐欺です。ネットショッピングがより身近になったため、被害件数が増大しています。
PTAとしての対策
代金引き落とし口座を用意する
デビットカードで決済した代金は口座の残高から引き落とされます。
すなわり、口座に入っている金額以上の決済はできません。
積立金や繰越金などの口座とは別の残高が多くない決済用(小口現金など)口座を設定しておけば、万が一不正利用されても被害額を抑えることができます。
利用限度額を設定する
一般的なデビットカードでは、「1回あたり」「1日あたり」「1ヵ月あたり」の決済額の上限を設定できます。PTAの利用状況にあわせて事前に限度額を設定し、高額決済が必要な場合は、一時的に変更して利用することをおすすめします。 これにより、万が一不正利用の被害にあった場合のリスクを軽減できます。
海外での利用機能を停止する
一般的なデビットカードには、海外のATMで現地通貨を引き出せる機能が付帯しています。 PTAでの利用を考えた場合、海外での利用機能は基本的にオフにておくことがべきでしょう。こまめに利用履歴をチェックする
デビットカード発行会社や金融機関の多くは、スマートフォンからリアルタイムで口座残高を確認できるアプリを提供しています。利用履歴はこまめにチェックしましょう。また、個別の決済ごとにメール通知のサービスも一般的です。
万一被害にあったらの対処
カード利用に注意を払い、適切な管理をしていても、不正利用の被害は誰にでも起こるリスクがあります。
一般的なデビットカードでは、クレジットカード同様、不正利用の被害にあった場合には補償措置を受けることができます。こうした面では、現金より安心とも言えますが、万が一身に覚えのない引き落としがあった場合、対処方法についても確認しておきましょう。
カード発行会社に連絡
不正利用に気づいたら、まずは利用しているカードの発行会社や金融機関に連絡して利用を停止を依頼しましょう。
まずは不正利用の拡大を止めることが先決です。紛失・盗難や緊急の用件は、24時間受付しています。
警察に届出
不正利用が疑われる場合は、警察にも連絡をしましょう。
警察への連絡は、あくまでも紛失・盗難の届出で、不正利用に関する被害届ではありません。デビットカードの場合、不正利用の被害者は「カード発行会社」となるため、被害届を出せるのは「カード発行会社」となります。
ただし、不正利用による損害補償措置を受けるには、警察への届出が必要になることが一般的です。警察への連絡も早めに行いましょう。
カード発行会社からの手続き記入
カード発行会社からの電話での聞き取りや、書類記入が必要となりますので、カード発行会社の調査に協力しましょう。
補償内容や期間は無制限というわけではなく、カード発行会社により異なります。
故意または重大な過失による損害や、補償期間外の損害の場合など、補償対象とはならないケースもあります。
詳しい情報は、カード発行会社のホームページなどで確認することをおすすめします。
プリペイドカード
プリペイドカードのタイプ
チャージ型プリペイドカード
流通系プリペイドカード
コンビニエンスストアや、ショッピングセンターなどの加盟店で利用できるカードです。カード発行会社のグループ店舗ではポイント付与や割引特典が受けられる場合もあります。
楽天Edy、nanaco、WAON、
交通系プリペイドカード
公共交通機関が発行する、運賃の支払いや加盟店での支払いに利用できるカードです。運賃支払いの際、現金で切符を購入する時よりも割引されるほか、加盟店でのショッピングでは、ポイント付与などの特典を受けられる場合もあります。
Suica、PASMO、ICOCAなど
国際カードブランド付プリペイドカード
全国の加盟店で支払い使用できます。発行会社により異なりますが、ポイント付与などの特典もあります。
チャージした金額以内であれば、クレジットカード同様に海外のATMで現金の引き出しに使用できるものもあります。
VISA、Mastercard、JCBなどのブランド付プリペイドカード
- 楽天Edy:楽天グループのプリペイド型電子マネーサービスです。
- 以下は、各社の登録商標です。
QUOカードは株式会社クオカード、nanaco:株式会社セブン・カードサービス、WAON:イオン株式会社、Suica:東日本旅客鉄道株式会社、PASMO:株式会社パスモ、ICOCA:西日本旅客鉄道株式会社