ストーカー被害を防ぐには

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被害者数の1割以上は10代です。防止対策と被害を受けた時の対応

ストーカー被害を防ぐには

ストーカー被害を防ぐには
つきまとい行為や位置情報無承諾取得などを繰り返し行うことは、ストーカー規制法で規制されています。ストーカー犯罪の状況や、保護者として、学校の体制として、被害を未然に防ぐ対策、被害を受けた時の相談先、対応などをまとめています。

ストーカー事案の状況

相談等状況

ストーカー事案の相談等状況

2023年の相談等件数は、19,843件となっており、前年より712件、3.7%と前年より増加し、 依然として高い水準で推移しています。
相談等状況

ストーカー規制法に基づく行政措置

2023年のストーカー規制法に基づく警告は、1,534件となっており、前年より334件、17.9%と前年より減少しています。 禁止命令等は、警告前置の廃止及び緊急禁止命令等の新設等を内容とする2106年のストーカー規制法の改正法が施行された平成2017年以降急増し、2023年も1,963件となっており、前年より219件、12.6%と前年より増加し、改正法施行後最多となっています。
行政措置

ストーカー事案の検挙状況

2023年のストーカー規制法違反の検挙は、1,081件となっており、前年より53件、5.2%と増加しています。
ストーカー事案に関連する刑法犯・他の特別法犯の検挙は2020年以降増加傾向であり、2023年は、1,708件と前年より増加し、58件,、3.5%と4年連続で増加しています。
検挙状況

ストーカー事案の被害者数(19歳以下)

2023年のストーカー事案の被害者数は、19,444人、うち19歳以下の被害者数は、2,335人(12.0%)となっています。4年連続で、全ての被害者に占める比率、人数共に増加しています。
被害者数
出典:警察庁 生活安全局人身安全・少年課 令和5年におけるストーカー事案等への対応状況について ≫(2024年3月28日)

具体的なケース

家を突き止められた!

引っ越し先を教えていないはずなのに、住所を突き止められ押しかけられた。

人に見られたくない写真をネットに流された!

昔ふざけて撮ったプライベートな写真を、インターネットに流された。

脅迫メールが届いた!

「ヨリを戻さないなら酷い目にあわせてやるぞ!」という内容の脅迫メールが送られきた。

暴力を振るわれた!

暴力が原因で別れた元夫に自宅で待ち伏せされ、逃げようとしたら腕を強く引っ張られた。

物を盗まれた!

郵便ポストから被害者宛の郵便物や、ベランダに干していた下着を盗まれた。

物を壊された!!

家の前にとめておいた自転車を壊された。

ストーカー規制法

規制法の改正

最近におけるストーカー行為等の実情を背景に、2021年に規制対象行為の拡大規定が整備されています。

GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得等

  • 相手方の承諾なく、相手方の所持する位置情報記録・送信装置(GPS機器等)の位置情報を取得する行為
  • 相手方の承諾なく、相手方の所持する物に位置情報記録・送信装置(GPS機器等)の位置情報を取り付ける行為

相手方が現に所在する場所における見張り等

住居、勤務先、学校など相手方が通常いる場所に加え、相手方が実際にいる場所の付近において、見張る、押し掛け、みだりにうろつく行為

拒まれたにもかかわらず、連続して文書を送る行為

電話、FAX、電子メール、SNSメッセージに加え、拒まれたにもかかわらず、連続して、文書を送る行為

規制対象になる8つの行為

ストーカー行為

ストーカー規制法は、ストーカー行為等を規制することなどにより、あなたの身体等に対する危害の発生を防止し、国民の生活の安全と平穏を守ることを目的とした法律です。

この法律では、「つきまとい等」を始めとする8つの行為をあなたやあなたの身近な人(配偶者・親族など)に対して繰り返し行うことを「ストーカー行為」として定めています。

ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。
また、警察からの禁止命令等に違反してつきまとい等をした者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金が科されます。

つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、うろつき

  • あなたを尾行して、つきまとう。
  • あなたの行く先々(通勤経路など)で待ち伏せする。
  • あなたの進路に立ちふさがる。
  • 自宅や職場・学校などの、あなたが通常いる場所の付近で見張りをする。
  • 自宅や職場・学校などの、あなたが通常いる場所に押しかける。
  • 自宅や職場・学校などの、あなたが通常いる場所の付近をうろつ

監視していると告げる

  • あなたが帰宅した直後に「おかえりなさい」と電話をする。
  • あなたの行動・服装をメッセージアプリや電話で告げる

面会・交際などの要求

  • 拒否しているのに面会や交際、復縁を求める。
  • 贈り物を受け取るように要求する。

乱暴な言動

  • 大声で「バカヤロー」などと怒鳴る。
  • 家の前で車のクラクションをうるさく鳴らす。

無言電話、連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNSメッセージ等

  • 無言電話をかけてくる。
  • 拒否しているのに、何度も電話をしてくる。
  • メール、SNSメッセージ等をしつこく送ってくる。

汚物などの送付

  • 汚物や動物の死骸など不快感を与えるものを自宅や職場に送り付ける。

名誉を傷つける

  • あなたの名誉を傷付けるような内容を告げる。また中傷するようなメールを送ったり、SNSに投稿したりする。

性的羞恥心の侵害

  • わいせつな写真などを送り付けたり、SNSに投稿したりする。
  • 電話や手紙で、卑わいな言葉を告げ、相手を辱めようとする
出典:政府広報 ストーカーは犯罪です! ≫(2024年4月15日)

対策として知っておくべきこと

ストーカー被害を未然に防ぐ

ストーカー行為

被害を未然に防ぐために

意思を示しましょう

イヤだと思うことを無理に受け入れず、イヤなものはイヤとはっきりと示す勇気を持ちましょう。 難しい場合は、一人で抱え込まず、信頼できる周囲の人にできるだけ早く相談をしましょう。

個人情報管理

スマホのGPS設定をオフにする、SNSやブログの更新を控える、郵便物を捨てる際はシュレッダーにかけるなど、安易に個人情報を相手に知られる ことのないように努めましょう。
わからないだろうと甘く考えて、SNSで地域が特定できるような近所の描写を載せる行為などは危険です。

一人での行動は極力控える

移動の際は、なるべくタクシーや公共機関を使ったり、家族や友人の方に迎えに来てもらうようにしましょう。
また、移動経路は意図的に変更する、人通りの多い道を選んで歩くようにすることが大切です。
音楽を聴きながら、携帯電話でおしゃべりしながらの一人歩きは、周囲への注意が行き届かなくなるため、非常に危険です。

常に助けを呼べる状態にしておく

携帯電話は、いつでも110番できるように設定しておきましょう。

被害を拡大させないために

警察への相談

警察は、相手に対して警告や検挙等の対応をとることができます。
相談の内容に応じて、相手方への口頭指導や文書による警告、パトロール、被害の未然防止策や自衛手段の教示、防犯ブザーの貸し出しなどであなたを援助してくれます。
また、あなたの身を守る方法を教えてくれます。できるだけ早く相談しましょう。

避難

危険を感じることがあれば、相手が知らない場所や、一時保護施設等に避難することを考える必要があります。

これだけはやっておこう!

周りに相談

信頼できる家族や友人に相談しましょう。周囲に言いにくければ、専門機関があなたをサポートします。

証拠を残す

証拠となるメールや写真などは、消さずに保存しておくことが重要です。USBメモリやPCなどにバックアップしておきましょう。相手がした行為(いつ、どこで、何をした)ということを記録することも有効な場合があります。

危険性を判断するポイント

ストーカー行為

相手が怖いと感じることがある

交際中の相手の行動

  • あなたの行動を細かく知りたがる。
  • 自分の思い通りにならないと怒る。
  • あなたに暴力をふるったり、乱暴な言葉を使うことがある。

交際を断った後や離婚後の相手の行動

  • 拒否しているのに、電話やメールがくる。
  • 一方的に会いに来たり、近づいてくる。
  • あなたの周りの人に連絡してくる。

心当たりがないのに、つきまとわれている気がする

ストーカーが誰かわからないというのは、それだけで強い不安を感じることであり、大変危険です。すぐに警察へ相談しましょう。

相手が他の人に対してもストーカーをしていた

相手が過去にもストーカーをしていたことがある。
出典:警察庁 ストーカーとは ≫

学校の同級生によるストーカー行為

ストーカー行為

同級生によるストーカー行為は、周囲からは、仲がいい、ふざけているだけ、などと思われている場合もあります。
身近なだけに、問題が顕在化しない場合もあります。被害者は親友などの協力も仰ぎ、ストーカー行為者にはっきりと意思を伝えて、事実を認識してもらい、そのうえで対処するようにしましょう。

ストーカー行為者が同級生である以上、避難することはできず、学校という場所を共有さぜるを得ません。
学校側はもちろん、周囲の友達にも積極的な意思表示を行い、学校内の問題として、ストーカー行為者以外を味方につけることが大切です。
ストーカー行為が原因による不登校や転校などは、人権侵害が発生しているような状況です。

一般的には、ストーカー行為者である同級生も、多くの友だちからストーカー行為をやめるように言われれば、本人の気づきもあると思います。友だちであるからこそ、ストーカー行為をしっかりと諌め、そのあとも孤立などしないように、フォローできる態勢をつくっておくことが理想的です。

一方で、ストーカー行為者が精神的に不安定な場合もあります。
学校内の相談窓口やカウンセリング窓口に相談し、学校と保護者が緊密に情報を共有することで、学校として適切な対応をとってもらうことが重要です。
少しでも不安が残る場合は、警察や専門機関に早めに相談をしましょう。

学校として望まれる体制

児童・生徒から相談を受けたら

児童・生徒から「登下校の途中で待ち伏せされた」「つきまとわれた」などの相談を受けたら、必要な情報を聞き取り、記録し、警察への報告が必要です。
携帯電話の所持を校則上認めていない場合は、事案が発生したらすぐ、子ども110番や最寄のコンビニや商店等の協力を仰いでの通報を指導することが重要でしょう。重大な事案につながる場合もあるので、躊躇せず110番利用することが大切と考えます。
必要な情報とは
  • いつ、どこで、どのようなことが起こったか
  • その人物の特徴(服装、体格、体型、人相など) など

学校としての体制作り

児童・生徒からは担任の教員に相談することが多いと思いますが、必ず管理職に報告する体制が必要です。
また、管理職が主導して、警察への不審者の情報(被害のあった日時・場所・被害の内容・不審者の特徴)提供、パトロール強化依頼、事案発生場所付近の教員やPTAの協力による巡回、集団登下校をさせるなどの対策が、あらかじめ準備されていることが理想的です。
警察が、写真などで不審人物を特定できれば、「警告」「禁止命令」が発せられます。ストーカー行為の多くは、この段階で、ストーカー行為が止まっています。ごく初期のうちに警察に通報することが大切です。

学校としての体制作り

児童・生徒への日常の指導として、嫌がらせメールや掲示板に書き込まれた中傷などは、不愉快だからと言ってすぐ削除せず、証拠保全の観点から、そのままの状態で保存することを伝えておくことが必要です。

ストーカー被害を受けたら

迷わず警察や関係機関に相談

ストーカー被害を受けて悩んでいたり、不安を感じたりしているときは、迷わず警察や関係機関に相談しましょう。
恥ずかしい、大げさにしたくない、自分で何とか解決できるなどと思っても、ストーカー加害者による行為が暴行や強制わいせつなどの凶悪な犯罪にエスカレートするおそれがあります。
警察へ相談することで、相手方へストーカー行為をやめさせるための対応ができます

相談窓口

最寄りの警察署

ストーカーに関する各種トラブル等の相談に24時間対応しています。
緊急の場合は迷わず、110番を利用しましょう。

警察相談専用電話 #9110

お近くの都道府県の警察本部の総合窓口につながります。
相談者の心情・境遇などに配慮しながら相談に対応します。 各都道府県警察により異なりますが、平日の08:30〜17:15が対応時間です。
  • 土日・祝日及び時間外などは、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内での対応

女性相談支援センター

女性が抱える様々な問題(DV、ストーカー、人身取引等)について相談を受付けます。
必要に応じて一時保護や関係機関の紹介等を行います。
厚生労働省 困難な問題を抱える女性への支援 全国の女性相談支援センター一覧 ≫ 

女性の人権ホットライン(法務局又は地方法務局)

「ストーカー行為」や「配偶者からの暴力等」、「セクハラ」など、女性に関する人権相談に応じています。
法務省 女性の人権ホットライン ≫ 
Tel. 0570-070-801

被害者ホットライン(検察庁)

被害者の方が検察庁へ気軽に被害相談や事件に関する問い合わせを行えるように、全国の被害者支援員を配置している検察庁に、専用電話を設けています。 法務省 被害者ホットライン連絡先 ≫ 

法テラス(犯罪被害者支援ダイヤル)

法的トラブルに関する相談内容に応じた相談窓口や法制度に関する情報を提供しています。
日本司法支援センター 法テラス ≫ 
Tel. 0570-079-714

警察に相談したらどうなるの?

警察は、相談者の申出に応じて、相手方にストーカー行為をやめるよう警告や禁止命令等の行政措置を行ったり、ストーカー規制法だけでなく、関係法令を駆使した加害者の検挙等による加害行為の防止、被害者等の保護措置等を行います。

また、被害を防止するための援助として、次のような申出にも対応しています。

  • ストーカーを防止するための具体的な防犯対策を教えてほしい
  • 被害防止交渉(話し合い)のため相手方への連絡をしてほしい
  • ストーカー行為等をした者の氏名等を教えてほしい など

このほか、ストーカー被害を防止するために、110番緊急通報登録システムへの登録やパトロールの強化など様々な措置を講じており、各市町村での住民票閲覧制限に関する支援対応等の対応も行っています。

警察へ相談に行く際には

警察署 警察では、被害者の方がどのような被害に遭われているのか、相手がどのような人物なのかなどをできるだけ正確に把握するため、相談に来られた方に次のようなことをお尋ねします

被害者について

  • 住所、氏名、生年月日、職業、勤務先、家族関係、連絡先
  • 怪我をしているか
  • 避難できる場所があるか
  • 今後どういったことを希望しているか
  • 他の機関に相談したか

相手方について

  • 相手の、住所、氏名、年齢、職業、勤務先、連絡先、経済状況等
  • 今どこにいるかわかっているのか
  • 相手はどのような性格か
  • 相手がわかっていない場合、心当たりはあるのか

被害者と相手方の関係について

  • 知り合った経緯
  • 今の関係はどのような状況なのか

被害者と相手方のトラブルについて

  • どのような問題やトラブルがあるのか
  • 暴力を振るわれたり、物を壊されたり、脅されたりしたことがあるのか
  • 相手から、いつ、どこで、何をされたのか
    (できる限り順を追って)
  • 相手にされたことを記録したものはあるか
  • 相手の行為はエスカレートしているのか

相談者について(相談者と被害者が異なる場合)

  • 住所、氏名、生年月日、職業、勤務先、連絡先
  • 被害者や相手方との関係

子どもの安全

保護者と地域
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