ベルマーク集めは、誰もが気軽に参加できるボランティア
ベルマークを考えてみよう!
ベルマークとは
ベルマーク運動の目指すもの
ベルマーク教育助成財団によると、すべての子どもに等しく、豊かな環境のなかで教育を受けさせたい。としています。ベルマーク運動はそんな願いをこめて1960年に始まりました。
PTAなどによるボランティアで生み出された資金(ベルマーク預金)で学校の設備や教材をそろえ、さらに国の内外でハンディを背負いながら学んでいる子どもたちに援助の手を差し伸べます。マーク集めから始まる誰でも気軽に参加できるボランティアです。
ベルマーク運動は、学校(PTA、児童・生徒)、企業(協賛会社、協力会社)、ベルマーク財団がスクラムを組んで進めます。
地域の方々や共鳴する人たちに支えられ、助け合いの輪は大きく広がっています。
集める目的は2つ
ベルマーク運動には、「自分たちの学校づくり」と「お友達への教育援助」の2つの機能があります。ベルマーク運動の仕組み
「協賛会社」が商品に付けているマークを登録参加ののPTAなどが集め、整理・計算して財団に送ると1点が1円に換算されてベルマーク預金になります。
その預金で、自分たちの学校に必要な設備・教材が「協力会社」から購入できます。
すると、その購入金額の10%が自動的にベルマーク財団に寄付され、へき地の学校や特別支援学校、災害で被災した学校への支援、アジアの子どもたちを助けるNPOへの支援など、様々な教育援助活動に使われます。
ベルマーク活動の現状
収集の状況
ベルマーク教育助成財団の2022年度事業報告書報告によると、参加団体からの一年間の検収点数は、2億9,906万点(2023年3月末)となっています。前年比では、91.5%とのことです。
2023年3月末での学校等の参加団体は、26,009団体なので、
1団体あたりの単純平均では、11,498点となります。
年間集票の上位20団体
2022年2月21日から2023年2月20日まで団体種類 | 団体所在地 | 集票点数 |
---|---|---|
高等学校 | 静岡県浜松市西区 | 599,939 |
小学校 | 佐賀県唐津市 | 398,260 |
中学校 | 岩手県大船渡市 | 342,240 |
中学校 | 新潟県長岡市 | 336,114 |
小学校 | 佐賀県佐賀市 | 280,259 |
小学校 | 大阪府豊中市 | 271,468 |
小学校 | 栃木県鹿沼市 | 267,220 |
小学校 | 山口県下松市 | 242,940 |
小学校 | 埼玉県さいたま市見沼区 | 238,767 |
小学校 | 埼玉県さいたま市北区 | 2338,65 |
団体種類 | 団体所在地 | 集票点数 |
---|---|---|
中学校 | 静岡県袋井市 | 233,023 |
特別支援学校 | 愛知県豊橋市 | 226,941 |
小学校 | 山口県下関市 | 222,889 |
小学校 | 山口県萩市 | 222,589 |
小学校 | 長野県安曇野市 | 220,650 |
学園 | 愛知県豊田市 | 214,027 |
小学校 | 山口県山口市 | 202,083 |
小学校 | 福井県坂井市 | 200,016 |
幼稚/こども園 | 長崎県佐世保市 | 199,551 |
社会福祉法人 | 東京都青梅市 | 199,281 |
参加している団体
2023年3月末での学校等の参加団体26,009団体の内訳を見ると、参加団体の半数以上が小学校で、全国小学校の参加率は70.4%となっています。参加比率(団体別)
団体種 | 団体数 | 全国学校数 | 比率 |
---|---|---|---|
総数 | 26,009 | ||
幼稚園 | 45,80 | 16,764 | 27.3% |
小学校 | 13,841 | 19,657 | 70.4% |
中学校 | 6,152 | 10,422 | 59.0% |
高等学校 | 1,154 | 5,110 | 22.6% |
大学 | 93 | 790 | 11.8% |
公民館 | 189 |
対前年増減(団体別)
団体種 | 23年3月末 | 23年2月末 | 増減 |
---|---|---|---|
総数 | 26,009 | 26,269 | -260 |
幼稚園 | 4,580 | 4,683 | -103 |
小学校 | 13,841 | 13,959 | -118 |
中学校 | 6,152 | 6,191 | -39 |
高等学校 | 1,154 | 1,155 | -1 |
大学 | 93 | 94 | -1 |
公民館 | 189 | 187 | 2 |
- 全国学校数の幼稚園にはこども園を、中学校には義務教育学校を、高等学校には中等教育学校含みます。
参加している企業
協賛会社
協賛会社とは、商品・製品にベルマークをつけている会社です。以下の45社が約2,000種類の商品にベルマークをつけています。協力会社
PTAがベルマークを集めて貯めた預金で購入できる教材や教育設備などを販売する指定の会社で13社あります。ウェブベルマーク
ウェブベルマークとは
ウェブベルマークの使い方
メリット
- 収集や集計などの面倒な作業は無縁に
紙などでは必須の、ベルマークを切り取って、集めて、企業ごとに点数や枚数をカウントして、集計表に記入する、という仕分け作業が不要になります。 - 対象商品が多いから点数を貯めやすい。
紙の協賛企業は45社(2023年7月現在)で対象はモノだけですが、ウェブベルマークでは、大手のネットショッピングサイト(楽天、ヤフーショッピング、ASKUL、BELL MAISON、LOHACO、ロフトネットストアなど)で使える協賛企業が多数あります。 - モノだけではなく、「サービス」も対象に。
例えば、楽天トラベルやじゃらん.netなどの旅行予約サイト、U-Nextなどの動画配信サービス、ホットペッパービューティーなどの美容院予約サイト、ぐるなびやOZmallなどのレストラン予約サイトなどのサービスサイトも対象になります。 - クレジットカードのポイントはそのまま変わらず
ウェブベルマークに参加しても、カード会社やショッピングサイトから個人に付与されるポイントには影響がありません。個人へのデメリットがないので安心して利用できます。 - だれでも参加可能
子どもがいない家庭でも、PTA非入会の家庭でも、祖父母から孫の学校への支援をすることも可能です。 - 個人情報がしっかり守られる
ウェブベルマークの管理画面の学校別アカウントには累計点数のみが表示されます。
PTAとしても個人情報を扱う必要が無いため、安心して管理することができるのも大きなメリットと言えます。
デメリット
- PTAで長く続けてきた紙のベルマーク収集活動をやめる説明が必要となる。
- ネットショッピングやネットサービスを利用しない方は参加できない。
導入するには
ウェブベルマークが優れた仕組みだとしても、保護者の協力なしには点数は集まりません。
新たにPTAで導入する場合は周知活動に力を入れましょう。
ウェブベルマークの公式サイトには、周知活動に使える資料やバナーなどが用意されています。
開始後は、購入を検討しているモノや累積点数などを伝えて、保護者のモチベーションを維持する事も重要です。
保護者側では、法人アカウントでの業務上の購入でも、ウェブベルマークのサイトを経由して行うだけで協力することができます。
導入プロセス
- 必要に応じて学校も含めPTAで導入を決定する
- 保護者へのウェブベルマーク開始の周知(公式サイトのスタートパック ≫ を活用)
- 集まったベルマークで、必要なものを購入
- 保護者へ活用状況を報告(お知らせやウェブサイトなどで)
スマートスクール ≫
ベルマークについて考えよう!
ベルマークに関するTips
- ベルマークの価値は「1点1円」でなく、協賛企業は、ベルマーク教育助成財団の運営費用等があるので「1点1.275円」を負担しています。
- 収集活動を行なっていない小学校の割合は全国で29.4%、中学校では39.0%となっています。
出典:ベルマーク教育助成財団 2022年度報告 - PTAは、保護者と教職員が一般的ですが、ベルマーク教育助成運動運営規程においては「PTA会員たる教職員の負担にならないようにすること」と記されています。
- ベルマーク預金で購入をしないと10%寄付も発生しないため、適当な商品を購入する予定がない場合、ベルマーク預金の寄付制度「友愛援助」も選択肢のひとつ。
- 一定期間ベルマークの提出を行わないと自動脱退の制度もある。
- エプソン、キヤノン、ブラザーの正規インクカートリッジ
- 日本テトラパック社製の紙パック
※ただし、牛乳パックを開いて乾かすという作業が必要です。
ベルマーク活動は高度経済成長期の1960年に始まりした。ちょうど、三種の神器の登場により、専業主婦の方々には時間の余裕が生まれ始めた時代であるともいえます。
このような時代のベルマーク活動は、日中に保護者が集まることで、学校備品は充実し、他校の支援もできて、さらに交流の場としての意味合いもありました。
60数年が経過し世の中は変わり、専業主婦の減少、パートや正社員として働く保護者の割合が増えていくことで、ベルマーク活動の恩恵の一つであった「ベルマーク活動通じての学校での保護者の交流」という時間の余裕はなくなっているのが現状です。
そして、ベルマーク活動は家でも協力できるPTA活動の一つとして位置づけられている学校も少なくないでしょう。
現在では、SNSなどネットでの交流も可能な時代ですが、学校現場に行くことや保護者同士の交流は、児童や生徒の健全な成長のために、時代を経ても変わらず重要なことだと考えます。
昔はその役割を担うことで広がっていったベルマーク活動、それに変わるものは一体何なのでしょう?
仕組みの再検討も選択肢に
ベルマーク活動は、学校の備品というとてもわかりやすい形で学校教育に貢献できるので、廃止に反対する意見も多いと思います。
一方で、仕事に影響があるのにベルマーク活動を強いられるのは納得がいかない。また、そのベルマーク委員を決めるために負担が増えるなどの声もあります。
PTA活動の一つであるベルマーク活動についても、長い期間にわたり継続されてきた活動ですが、今後の活動のあり方については、定期的に見直す機会をもつことが重要です。見直しにあたっては、地域の事情のあった方法を検討しましょう。
ベルマーク活動を続けていくのであれば、ウェブベルマークの導入はお勧めです。
昨今ではネットショッピングの利用者も増えていますので、ベルマークポイントも集まりやくなってきたのではないかと思います。
ウェブベルマークの導入する場合、手作業収集は廃止してウェブベルマークのみ、または手作業のベルマークとウェブベルマーク併用のいずれかが考えられます。
併用する場合には、それぞれの方式での収集金額を周知していくことで、目標に向けてモチベーションアップ、コストパフォーマンスの検証にもつながります。
手作業の収集を続ける場合には、地域のNPO団体などと連携するなどして、PTAは集めるだけ、集計は外部委託ということも考えられます。
- PTA活動に求められているもは何か?
- 保護者や学校にとって必要なことは何か?
- 団体としてのPTAは、児童や生徒たちに何ができるか?
- 団体としてのPTAは、学校と協力することで何を実現させるか?