ベルマーク運動の変化と現状
ベルマーク運動とは
ベルマーク運動はへき地教育研究連盟の先生方の陳情を受けて、朝日新聞社が1960年10月に創立したPTAによる教育助成のためのボランティア運動です。仕組みと流れ
ベルマーク教育助成財団では、ベルマーク運動ついて次のように述べています。
「自分たちの学校づくり」と「お友達への教育援助」。ベルマーク運動には、2つの機能があります。
自分たちの学校のためにマークを集めることが自動的に、厳しい教育環境にあるお友達の役にも立つ仕組みなのです。「協賛会社」が商品に付けているマークを登録参加のPTAや公民館などが集め、整理・計算して財団に送ると1点が1円に換算されてベルマーク預金になります。
その預金で、自分たちの学校に必要な設備・教材が「協力会社」から購入できます。すると、その購入金額の10%が自動的にベルマーク財団に寄付され、へき地の学校や特別支援学校、災害で被災した学校への支援、アジアの子どもたちを助けるNPOへの支援など、さまざまな教育援助活動に使われます。
協賛会社と協力会社
協力会社:ベルマーク預金で教材備品を買える会社で、援助の資金を提供を行う会社。
協賛会社:協商品にベルマークをつけている会社で、ベルマーク預金を提供している会社(44社)
- 「成田もやし」などの成田食品と、昆布佃煮「ふじっ子煮」などのフジッコは2024年3月末日でベルマーク運動の協賛会社を脱退、リネットジャパンリサイクル株式会社は4月から協賛会社となっています。
ベルマーク運動に参加するには
学校等の施設での参加
ベルマーク運動に参加申し込みをしている学校であれば、ベルマーク運動に参加できます。
また、近隣の学校でベルマーク運動に参加していれば、直接回収箱にベルマークを入れに行くのも一つの手です。
学校以外での参加(個人や団体)
- スーパーやドラッグストアなどのベルマーク回収箱にベルマークを入れる方法です。回収箱にベルマークを入れると、ベルマーク運動に参加する近隣の学校にベルマークが届きます。
- 個人や団体から、ベルマーク教育助成財団に直接ベルマークを送る方法です。送られたベルマークは寄贈マークと呼ばれています。
ベルマークの寄贈マークとは?
寄贈マークとは?
寄贈マークとは、学校以外の個人や団体から、ベルマーク教育助成財団に直接送られたベルマークのことです。
寄贈マークは、整理ボランティアの方によって整理・仕分け・計算がされ、へき地や養護学校、盲・ろう学校などの支援を必要している学校に寄贈されています。
多くが個人からの寄贈ですが、その件数が最近、大幅に増えています。過去5年間でみると、年2,000~3,000件台だったのが、2021年は4,528件、2022年度は5,962件と増加が続いています。
寄贈マークが増えた理由
財団では、寄贈マークが増えた理由として、- コロナ禍で外出規制など行動が制約される中、ベルマークが「自宅に居ながらできるボランティア活動」として見直されたこと
- SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)達成への意識の高まり
仕分けボランティア
仕分けボランティアとは、財団から、寄贈マーク・各協賛会社の整理袋・送り状・返信用袋を郵送します。会社・点数別に仕分け・集計・袋詰めをして、送り状に合計点数を記入し、財団に返送するボランティア活動です。(送料は財団負担)
財団では、仕分けボランティアを募集していましたが、多数のお問い合わせがあるとして、受付を一時的に停止しています。(2024/10/10情報)
公民館や大学でも
ベルマーク財団は、教育支援の輪を世代を超えて広げるため、PTAを参加対象とするとしていた規約を公民館や大学なども参加できるよう改正し、2006年4月からは、大学で勉強している学生も、公民館などで生涯学習に取り組んでいる中高年の方々もベルマーク運動へ参加できることになりました
PTA以外の団体に参加資格が与えられるのは1960年のベルマーク運動発足以来のことで、46年ぶりの改革となります。
仕組みは、PTA団体等同様な仕組みで、自分たちの施設や地域に必要な備品を整えることができます。
参加資格
原則的に公民館や大学などの施設ごとととなり、参加時には、その公民館のベルマーク運動を中心的に担う「代表講座」の名前や、大学の「代表団体・サークル」名の届けでが必要です。ベルマーク運動の状況
参加団体
2022年度事業報告によると、2023年3月末の参加団体数は、26,009団体(前年度比△260)となっています。
参加団体の拡大の背景
14歳以下の年少人口が75歳以上の人口より少なくなるなど少子高齢化は今後も続き、ベルマーク運動の維持・発展には、参加団体の拡大が不可欠です。
2006年の財団規約改正により、大学生約262万9000人(2024年度)、公民館などの生涯学習施設は約37万2000学級(2021年度)、利用者は1000万人を超えるとも言われる方に、参加資格が拡大されています。
特に、生涯学習施設利用者は、ベルマークを集めた経験者も少なくないと思います。
集票の状況
- 参加団体の一年間の検収点数は、2億9,906万点(前年度比 91.5%)
- 1960年からの累計集票点数は、29,527,636,980点となり、ベルマーク預金として累計約295億円
- 個人や企業などのボランティアによる寄贈マークは、5,962件(前年度比121.4%)
ウェブベルマーク
ベルマーク運動を巡っては、ネット上では「まだベルマークやっているPTAあるんだ」「ベルマークを学校に持って行くために特定銘柄の商品を買ったことがある」などの声もあります。
一方で、ベルマーク集めに意義を感じる方もあり、ベルマークで購入した備品が役立っていることも事実です。
強制参加から希望者による活動に切り替えるPTA、ベルマーク活動に協力する個人や企業などの団体、ウェブベルマークの利用など、ベルマーク運動には様々な選択肢があります。