子どもたちが安全で健やかに成長するためには、学校と保護者の連携は不可欠であり、PTAは子どもたちに必要な組織であると考えています。自校の児童・生徒のために、保護者と学校が自主的・協働的に進めているのがPTA活動であり、学校ごとに組織されている団体です。PTAは任意団体であり、加入も任意です。
PTA運営のアップデートで参加したくなるPTAに!
今後のPTA運営をより良い方向にするためには、各PTAが活動を自主的に判断し、地域実情を反映した活動のアップデートを行うことが重要です。具体的には、
- 「これまでやってきたことは、これからもやる」ではなく、子どもたちの笑顔につながる活動かどうかの判断をしてみる。
- 「今の時代にそぐわないな」と思われるルールや慣習は見直し、参加しやすい、参加したくなるような運営をする。
- 「PTAは任意団体」であることを踏まえたPTA規約の見直しを行う。
- 子どもたちが安全で健やかに成長するためには、学校と保護者の連携は不可欠であることも再認識し、必要な組織はどうあるべきかを再定義する。
- PTA活動が、自校の児童・生徒のために、保護者と学校が自主的・協働的に進める活動となっているかどうかを今一度確認してみる。
参加したくなるPTAとはどうあるべきを考え、
自校のPTA運営状況について、 あらためて確認してみましょう。
任意加入の説明と加入の意思確認
- PTAは任意団体であり、加入も任意です。
現時点の新たにPTA会員になる人への対応は、どれに該当するか確認してみましょう。
1. PTA活動の紹介や必要性の説明
全保護者を対象とした学校入学説明会などで対応について- 文書配布やホームページ利用などとあわせ、丁寧な説明を実施している。
- 文書配布やホームページ利用などはないが、口頭で丁寧な説明を実施している。
- 簡単な説明を実施している。
- そもそもそうした機会を設けていない。
2. PTA加入の任意性に関する説明
- 任意性とあわせ個人の意思が尊重されることを説明していている。
- 任意性の説明をしているが、基本的に全員加入が前提だと伝えている。
- 基本的に全員加入が前提なので、未加入者がいる場合に個別対応している。
- 現在は100%加入なので、実施していない。
3. 任意性に関する説明の対象者
- 保護者の他、新任や赴任された教職員にも説明している
- 保護者のみ説明している
4. PTA加入意思の確認方法
- 「加入します」または「加入しません」が選択できる形式の「PTA入会申込書」を取得している。
- 「加入します」だけが選択できる形式の「PTA入会申込書」を取得していて、非加入希望者には個別に対応している。
- 「PTA入会申込書」は取得せず、非加入希望者からのみ「PTA非加入届」を取得している。
- 「PTA入会申込書」や「PTA非加入届」などはなく、非加入希望者には個別に対応している。
- 「PTA入会申込書」や「PTA非加入届」などはなく、非加入希望者への対応もしていない。
5. 未加入に対する説明
- PTAに未加入でも児童や生徒が差別的対応を受けないことを説明してる。
- PTAに未加入でも、必要な都度、実費を支払うことで加入の場合と同じ対応が受けられると説明してる。
- PTAに未加入の場合、児童や生徒が何らかの不利益をうけることがあることを伝えている。
6. PTA退会手続きに関する説明
- 手続きの説明を行い「退会届」も用意してる。
- 手続きの説明を行っているが「退会届」は特に用意していない。
- 手続きの説明は実施していないが「退会届」は用意している。
- 手続きの説明、「退会届」の用意ともにしていない。
個人情報保護への対応
- PTAも個人情報保護法の適用対象です。
現時点の個人情報の取得•利用、保管•管理、提供に関する対応で、実施済みのものを確認してみましょう。
1.「PTA規約」の改定や「個人情報取扱規則」などの整備
- 個人情報取り扱い方法を定めた「個人情報取扱規則」を制定している。
- 「個人情報取扱規則」や「個人情報保護方針」の制定に伴い「PTA規約」を改定している。
- 個人情報の取り扱い方法やどのように配慮しているかを示すための指針である「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」を制定している。
2. 保護者への対応
- 「個人情報取扱規則」や「保護方針」の周知を、定期的またはホームページなどで行っている。
- 入会案内書類の配布時に「個人情報取扱規則」の配布や提示している。
- 入会時に「個人情報取扱同意書」を書面で取得している。
3. より安全な運営体制づくり
- 管理体制を定期的にチェックする個人情報管理者を決めている。
- 役員や担当委員など個人情報の取り扱い者を限定している。
- 個人情報の取り扱い者に対する研修をしている。
- 本人からの開示や訂正、削除に対しては適切な対応を行っている。
4. 具体的なセキュリティ対策
- 紙媒体は、施錠できるところに保管している。
- 電子データは、パスワードを設定して管理をしている。
- 個人データの持ち出し、電子メール添付時などには、パスワードを設定するなど適切な管理をしている。
- 利用している端末にはセキュリティソフトを利用している。
- 利用する端末のOSをやセキュリティソフトを最新状態に保っている。
- アカウントやパスワードの使い回しを禁止している。
- 個人データへのアクセス権は、個人情報の取り扱い権限に応じた管理をしている。
5. 万一の事故に対する対策
- 個人情報漏えい補償制度を利用している。
- 漏えい時の個人情報保護委員会への報告手順など、万一に備えてのルール決めをしている。
非加入会員の児童・生徒への対応
- PTAは学校に在籍するすべての児童・生徒を対象に活動する組織です。
現時点の未加入会員の児童・生徒への対応は、どれにあたるかを確認してみましょう。
1. 未加入のケースへの対応(公平性)
非未加入者がいない場合もありますが、今後の方針も含め対応を確認しましょう。- PTAの活動方針や活動指針に、加入・未加入に関わらず、児童・生徒に対してのPTA活動は平等に実施すると明定している。
- 文書化されていないが、加入・未加入に関わらず、児童・生徒に対してのPTA活動は平等に実施している。
- イベントや記念品など、未加入でも、希望により実費を徴収することで区別なく対応している。
- 加入・未加入により対応を区別していることが少なくともある。
役員・委員の選出方法
- 役員・委員の選出にあたっては、強制性を伴わない適正な運営が求められています
現時点の役員・委員の選出方法は、どれにあたるかを確認してみましょう。
1. 選出方法や選考過程に関する規定
- 文書の規定がある。
- 規定はないが、慣習的な規定がある。
- 特に規定と呼べるものはない。
2. ポイント制度など利用
ポイント制度とは、役員・委員などの引き受け履歴を点数化するなどして記録する方式です。- 利用していない。
- 利用していないが、利用を検討している。
- 利用しているが、廃止を検討している。
- 利用している。
3. 選出方法や選考過程に関する規定
- 立候補制度を採用するなど強制性を完全に排除した方式である。
- 他薦や勧誘、ポイント制度などであるが、本人の主体的な同意を得る方式である。
- 他薦や勧誘、ポイント制度などで、本人の主体的な同意を得ていない場合もある。
4. 個別事情の配慮
- 個別事情への配慮をしている。
- 特別な場合のみ個別事情への配慮をしている。
- 個別事情には特段配慮していない。
5. 要配慮(機微な)個人情報の取り扱い
要配慮個人情報とは、家庭の状況や健康状態など一般的な個人情報とは異なり特に配慮を要するものです。- 取り扱い(要配慮個人情報の取得)を一切行わない。
- 会長のみが対応するなど個人保護に配慮している。
- 役員間など複数名の範囲にとどめて共有している。
- 特に配慮していない。
PTA会費
- PTA会費徴収、使い方にも適正な運営が求められています。
会費徴収方法や学校への寄付・寄贈は、どれにあたるかを確認してみましょう。
1. PTA会費徴収方法についての説明
- 説明している。
- 説明していないが、説明文書を配布している。
- 特に説明していない。
2. PTA会費の徴収方法
- PTAが独自に会費を徴収している。
- PTA会費を学校指定の口座から徴収している。
PTA会費を学校指定の口座から徴収している場合
3. PTAと学校間の業務委託契約
- 業務委託契約を締結している。
- 業務委託契約を締結していない。
PTA会費を学校指定の口座から徴収している場合
4. 業務委託時のPTAが取得した個人情報の取り扱い
- 個人情報を学校へ提供することについて保護者の確認を取っている。
- 個人情報を学校へ提供することについて保護者の確認を取っていない。
5. 学校運営に必要な経費•物品について
- 学校設置者(都道府県や市区町村)の予算ですべて充当されている。
- 学校運営に必要な経費•物品の一部を、PTAから寄付・寄贈している。
学校設置者(都道府県や市区町村)との手続き
6. PTAからの学校へ寄付・寄贈がある場合
- 学校設置者が定める規程に従い、寄付採納の手続きを取っている。
- 学校設置者に相談はしているが、寄付採納の手続きは取っていない。
- 校長など学校に相談はしているが、学校設置者には相談はしていない。
保護者アンケート(実施中)
当協議会では、よりよいPTA活動への取り組みを進めるにあたり、皆様からのご協力を得ながら、全国の各PTA団体の活動について情報共有を行っています。
他校の実情を広く知ることが、PTA活動のヒントになると考えています。