PTA会費の集金方法を変更してみたら

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PTA会費の集金方法を変更してみたら

全国PTA連絡協議会
PTA会費集金を現金封筒から、保護者によるPTA口座への振込形式に変更したPTA、新入生を対象に順次、保護者からの口座引き落としに移行したPTAなどの取り組み事例を踏まえ、これからのPTA会費集金方法として何を選択すべきかを考えます。
以下は、筆者が見聞きした事例をもとに、構成した内容です。

保護者の皆様からの振込に

PTA会費集金が現金封筒から
PTA口座への振込に変更して負担減!

今までは … 現金封筒で集金

会員の子どもに持ってきてもらった現金封筒を、PTA役員などが教室前で回収する方法で集金、集金の流れは、
  1. PTAからあらかじめ集金日の周知文書と封筒を配布
  2. 子どもは、集金日には会費が入った封筒を持って登校
  3. 集金日当日は、朝の8時前からPTAの役員と委員が各教室の前に立ち、子どもたちが持ってくる現金封筒を回収
  4. その後、PTA室に集まり、クラス毎に現金を集計
  5. 教職員の会員は、事前集金を学校側にお願いし、集金日に副校長から手渡しで受け取り
  6. お昼前後まで、集計や未回収家庭に電話連絡などの事後処理
  7. 会計担当者が、現金を持って金融機関に行き、PTA口座に入金

これからは … 保護者が振込み

事前案内:
保護者P会員の皆様には、PTA会費のお振込による集金をお願いする文書を配布、
教職員会員の皆様には、副校長に取りまとめいただく形で現金集金をお願いする文書を配布
入金確認:
通帳を確認し、会員の振込状況とPTA会員名簿とを紐づけ
事後処理:
未納者への督促、返金、その他の処理を実施

集金方法変更の背景

  • 集金日当日に、多く人数を集め、午前中一杯の作業は負担が大
  • 会計担当者が、手持ちで多額の現金を金融機関へ運ぶリスク
  • 学校の教材費などは保護者名義の郵便局の口座から引き落としになっているため、保護者は必ず郵便局の口座を所持
  • 会計担当者負担が増える可能性も指摘されたが、作業時間帯の分散、担当者の分業などが可能

集金の「準備」

  1. 「PTA会費の集金方法変更に関するお知らせ」メールを保護者に向けて一斉送信
  2. 保護者の一部は、PTAのメール配信システムに登録していないため、集金方法の変更に関する紙のお知らせも学校経由で全ての保護者に配布
  3. 念のためのご案内として、各学年毎の振込期間中に「お知らせ」メールを保護者に向けて送信

お知らせへの記載内容

  • 振込依頼人の紐付けの負担を軽減するため、学年別毎に振込期間を定め案内
  • 振込依頼人名を、子どもの「学年」「学級」「出席番号」「名前」
  • 複数のお子さまが在学中の場合、下の学年の子どものを振込依頼人名(PTA会費は世帯単位)
  • 振込手数料は会員負担
    • ゆうちょダイレクトを使うと回数限定ながら振込手数料が無料となり、ATM経由でも100円で、PTAのゆうちょ口座に振り込みができるため
  • PTAとして領収書発行せず、振込用紙の控え、Web画面や通帳の支払い履歴をもって代替
  • 会費集金問い合わせ先としてPTAメールをご案内

振込依頼人の紐付けの結果

振込依頼人名を子どもの情報に変更せず、口座名義人のままでの振込、「学年」「学級」「出席番号」の入力ミスでの振込などが一定数発生するなどの想定をしていましたが、会計担当者がが定期的に記帳し、PTA会員名簿との紐づけを実施する中で次のようなことがわかり、必要な対応を行いましたた。
  • PTA会費は世帯単位にも関わらず、複数人分の振込をした保護者も複数名発生、手数料を引いて返金対応
  • 各学年毎の振込期間中に「お知らせ」メールを保護者に向けて送信ためか、複数回の振込をした保護者も複数名発生、手数料を引いて返金対応
  • 結果は、口座名義人のままでの振込が、総振込件数の約2%で発生、そのうち約半数の保護者からメールでの訂正申告あり
  • 同姓などで紐づけができなかった方は、最終的には2名、役員や委員の皆様の人間関係などによりで無事判明
  • 振込のなかった会員の皆様(会員世帯の約10%には、紙のお知らせ(督促)を配布
  • 4月に記入いただいたPTAの入会届に「加入しない」または「未提出」だったPTA未加入の保護者(全世帯の約5%)から、会費振込があり、入会の意思を確認し会員に
  • 会費集金問い合わせ先としてPTAメールに、着金確認をされた保護者も複数あり
以下は、筆者が見聞きした事例をもとに、構成した内容です。

PTA独自に保護者口座から引き落とし

切り替え時の負担急増を避け
新入生を対象に順次、引き落としに移行

今までは … 学校を介しての会費集金

学校が給食費や教材費などとPTA会費をあわせて学校徴収金として、保護者の口座から引き落とし、その後学校からPTA口座に一括して振込
学校によるて引き落としを行うにあたり、以下の対応をしていました。
  1. 業務委託契約(準委任契約)の締結し、学校に業務委託
  2. 保護者の皆さまからPTA入会届け受領
  3. 学校へのPTA会員情報の提供、PTA会費を学校徴収金として引き落としについての同意取り付け

これからは … PTAが保護者口座から引き落とし

学校による保護者の口座から引き落としは、給食費や教材のみとし、PTA会費は、学校徴収金とは別にPTAが保護者の口座から引き落とし
片国保護者の皆様からは、PTA入会届けとPTA用の自動払込利用申請書を集める形式となりました。

集金方法変更の背景

数年前より教育委員会から、PTA会費は学校徴収金と別に取扱うべきの指摘を受けており、保護者アンケートの実施や学校側との協議を重ねた結果、以下の課題を解決するためPTA会費は学校徴収金と別に扱うとの結論に至りました。
  • 学校徴収金の口座を利用してPTA会費を集めること
  • 個人情報保護の観点から、学校とのPTA会員情報の共有
全国PTA連絡協議会では、PTAは、学校とは別組織であり独立した団体として、団体運営に必要な会費の集金は、学校徴収金の一部として学校に委託する事なく独自に集めるべきと考えています。

移行のスケジュール

  1. 集金代行サービスなどの情報収集開始(4月)
  2. 学校側との協議を開始(5月)
  3. 移行する集金方法の絞り込み(7月)
  4. 保護者アンケート(9月)
  5. 移行する集金方法の決定(10月)
  6. 在校生の保護者に周知(11月)
  7. 説明会で新入生の保護者に周知(2月)
集金方法変更の対象学年について
本来、全学年を一度に移行するのが望ましいところですが、全学年分の必要書類の回収、またデータの処理作業など、一度に移行することはPTA本部側の業務負担が大きいため、新入生を対象に1学年ずつ移行を進める形式で、6年間でかけて移行する計画です。。
そのため、すでに兄弟が全員入学されている場合は、下のお子さまが卒業するまで、現行と同じく学校徴収金の一部としてPTA会費を集金する形となります。また、未就学児のいらっしゃる場合には、新入生のみ新しい集金方法となります。

集金方法の絞り込み

  • 集金方法には様々なものがあり、情報収集するなどして検討
  • PTA会計、保護者の皆さま共に、負担が少ないと考えられるゆうちょ銀行の口座からの引き落としが良いと判断
  • ゆうちょ銀行の「ゆうちょBizダイレクト」サービスを契約

ゆうちょBizダイレクト

ゆうちょBizダイレクトとは、パソコンからインターネットを経由して、 各種照会・送金等のオンラインサービスや総合振込・給与振込等の伝送サービスをご利用いただける、法人のお客さま向けのインターネットバンキングです。
ゆうちょ銀行では、総会議事録や収支報告書を審査するなどして「権利能力なき社団」としての実態が確認できれば、PTAでの口座開設が認めらています。
PTAで利用予定のサービス
  • 入出金明細照会 … 出金情報を確認できます。照会した明細をCSVファイルで出力できます。
  • 自動払込み … 指定の払込日に指定の金額を自動的に引き落とし、PTAの口座に払い込むサービスです。集金効率化に役立ちます。

保護者の負担

  • 保護者は、学校徴収金と同様、自動払込み手数料として1回につき10円を負担
  • 保護者による自動払込の申請にあたり、学校用とは別にPTA用の「自動払込利用申請書」を、事前にPTAへ宛に提出
  • PTAへ宛に提出いただいた「自動払込利用申請書」は、原本をゆうちょ銀行へ郵送、コピーについては、PTAの保管義務付があるため、卒業時までPTA室内金庫にて保管し、卒業後はゆうちょ銀行の書類溶解サービスを使い破棄を予定

これからのPTA会費集金方法は?

集金代行サービスでできること

会費集金をキャッシュレスにするには、集金業務を代行してくれるサービスを利用するのも選択肢です。
以下はあくまでも例であり、サービスによって内容が異なる点をご了承ください。
一括請求
保護者や利用者に対して、一括で請求メッセージを送信 請求書や支払い依頼を一度に複数人に配布
多様な支払方法
口座振替・コンビニエンスストア払い・銀行振込・クレジットカード払いなど、多様な支払い方法に対応
支払い管理
支払状況をリアルタイムで反映 未入金の検知やリマインドメッセージの送信
セキュリティ機能
データの暗号化・不正アクセス防止などのセキュリティ対策
レポート機能
カスタマイズ可能な各種フィルタリングと抽出により、必要なデータを迅速に取得

口座振替(引き落とし)との違い

PTAによっては、口座振替で会費を集金している場合もあります。「現金を扱わない」という点ではキャッシュレスですが、金融機関との契約・出金・振替などに関する事務手続きは、集金代行サービスとは異なります。 会計担当者が金融機関窓口へ出かけるケースが多く、事務手続きが担当者にとってかなりの負担になっているのが現状です。

会費集金キャッシュレス化のメリット

会計担当者の負担軽減
金額の確認、お釣りの用意、遅延・未納金のチェック、保護者の対応など、会計担当者事務作業が大幅に削減されます。
保護者の利便性向上
キャッシュレス化により、保護者は、支払いのための現金準備が不要となり、スマートフォンなどから簡単に支払いが可能になり、時間と労力を節約できます。
トラブル防止
現金集金では、金額の計算ミスや紛失・不正などのトラブルが発生するリスクがあります。キャッシュレス化により、支払履歴も記録されるため、未納や重複支払いなどのトラブルも防げます。
安全性の向上
集金代行サービスの導入により、支払いデータの暗号化など、個人情報の漏洩リスクが低くなります。

集金方法についての比較

現金集金 銀行振込 口座引落 集金代行


現金準備
毎年の対応
銀行印準備


現金集計・入金
支払者確認
未払者対応
印鑑相違対応
学校 現金の受け渡し
コスト ほぼ0円 0〜150円前後
会員負担
100円前後
PTA負担
事業者による
PTA負担
①保護者側で毎年の手続きが必要
②振込人を特定するための通帳などとの照合が必要
③口座引き落とし依頼書の印鑑相違対応が必要

PTA会費集金のお知らせテンプレート

送付状トップ

◯◯年◯◯◯◯月日

PTA会費集金のお知らせ

保護者各位
◯◯〇学校PTA
会長 ◯◯◯◯
日頃より、PTA活動へのご理解とご協力をいただき、ありがとうございます。
本年度のPTA会費集金について、下記のとおりお知らせいたします。

現金で集金

会費金額:
一世帯一年間 〇,〇〇〇円
集金日付:
〇〇年〇月〇日(〇)
時間帯 :
〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
集金場所:
〇〇教室
  • お手数ですが、おつりのないよう上記の金額をご用意のうえ、ご持参ください。
  • お万が一、ご都合が悪い場合は、〇月〇日までに担任の先生を通じてお知らせください。

ゆうちょ銀行へ振込

納入期限:
〇〇年〇月〇日(〇)
会費金額:
一世帯一年間 〇,〇〇〇円
お振込先:
ゆうちょ銀行
振込方法:
振込人のお名前に「お子さまの学年、組、生徒氏名」必ず記載してください。
入力例:5年1組 タナカ太郎 → 51タナカタロウ
  • 複数のお子さまが在学中の場合、下の学年のお子さまについてお知らせください。
  • 依頼人名義を変更できない場合は、口座名義人名でのお振込後、PTA会計担当(xxx@xxx.xxx)宛にメールにてご連絡ください。
ゆうちょ銀行は、他の金融機関 (信用金庫含む) と店名や口座番号の表示が異なるため、ゆうちょ銀行から振り込む場合と、他の金融機関 (信用金庫含む)から振り込む場合では、その方法が異なりますので、ご注意ください。
ゆうちょ銀行からのお振り込み
  • お手持ちのゆうちょ銀行口座からATMを利用してPTA口座へ送金する場合(手数料100円)
  • ゆうちょダイレクトでPTA口座へ送金する場合 (手数料月5回まで無料、6回目以降は100円)
  • ATMにて、郵便局窓口にある払込取扱票を用いて、現金で振り込み(手数料152円)
金融機関名:ゆうちょ銀行
記号:00150
口座番号:0123456
口座名義:〇〇〇学校PTA
ゆうちょ銀行以外の銀行からのお振り込み
  • 他行よりお振込みの場合は、各金融機関のホームページで手数料をご確認ください。
  • ゆうちょダイレクトを登録される場合、お時間がかかりますのでお早めにお願いします。
金融機関名:ゆうちょ銀行(金融機関コード:9900)
支店名:〇一九(読みゼロイチキュウ)(支店コード:019)
預金種目:普通預金
口座名義:〇〇〇学校PTA

  • 振込手数料は各自でご負担ください。
  • 領収書は、通帳への記帳または払込取扱票の受領書をもって代えさせていただきます。
  • 納入期限までに振り込みの確認が取れない場合、後日ご連絡させていただきますので、ご承知おきください。
  • 転出した場合は、学期に関係なく返金はできません。
  • なお、PTA規約第〇章第〇条に会費免除規定がありますので、会費納入が困難な場合は、その旨を会長(xxx@xxx.xxx)までお申し出ください。
  • PTA会費集金に関するお問い合わせは、PTA会計担当(xxx@xxx.xxx)へお願いします。
  • ゆうちょ銀行については、以下(https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/koza/kj_sk_kz_index.html)をご参照ください。
ゆうちょ口座への送金
ゆうちょ銀行のページが開きます。

ゆうちょ銀行からの口座振替

本年度より、保護者の皆様の利便性向上と事務作業の効率化を目的として、PTA会費の集金方法を変更させていただきます。
本校の教材費など学校徴収金は、保護者の皆様のゆうちょ銀行口座から引き落としになっており、保護者皆様は郵便局の口座を既にご利用されていると思います。こうした点を踏まえ、PTA会費の集金を、保護者の皆様のゆうちょ銀行口座から口座振替にて行うことなりましたので、ご協力とご理解のほどよろしくお願いします。
振替日付:
〇〇年〇月〇日(〇)
※引き落としが休祝日の場合は翌営業日
会費金額:
一世帯一年間 〇,〇〇〇円
振替口座:
ゆうちょ銀行
口座振替依頼書について
口座振替手続きにあたり、、同封の「口座振替依頼書」をご記入のうえ、〇月〇日(〇)までに、担任またはPTA役員までご提出ください。 すでに口座登録を完了されている方は、ご提出は不要ですが、以下に該当する場合は「口座振替依頼書」を再度ご提出ください。
  • 口座の登録がお済みでない方
  • 登録口座を変更したい方
  • 登録口座の名義変更があった方

  • 通帳には「〇〇〇」と表示されます。
  • 納入期限までに振り込みの確認が取れない場合、後日ご連絡させていただきますので、ご承知おきください。
    • この場合は、現金で学校にお持ちいただくか、振込により納入いただくことになります。
  • 転出した場合は、学期に関係なく返金はできません。
  • なお、PTA規約第〇章第〇条に会費免除規定がありますので、会費納入が困難な場合は、その旨を会長(xxx@xxx.xxx)までお申し出ください。
  • PTA会費集金に関するお問い合わせは、PTA会計担当(xxx@xxx.xxx)へお願いします。

PTA会費の集金

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