FAQ … PTA組織運営

FAQ … PTA組織運営

facebookでシェア
LINEでシェア
Xでシェア
リンクをコピー

FAQ … PTA組織運営

当協議会に寄せられるご相談などから、FAQとして掲載を進めています。

FAQ PTA組織運営
 
 FAQ一覧(全ジャンル)

FAQ … PTAサポート

FAQ … ICT支援

FAQ … 各種サービス

[Question & Answer]に移動します。

Question

PTAの任意性

  • PTAの任意性(保護者、教員共に)とは、どういうことですか?
  • 任意加入した会員ですが、PTA活動への参加も任意ですか?
  • 活動の強制性を排除するにはどうしたらよいですか
  • ポイント制を利用していますが、注意すべき点はありますか?
  • PTAは、活動の負担も公平であるべきですか?
  • 強制をなくしたら、活動する人が減りませんか?
  • 担い手の課題解決にはどうしたら良いですか?
  • 活動の担い手を増やすにはどうしたら良いですか?
  • 役員が決まるまで帰れないなどの対応は、法令違反ですか?
  • 役員や委員の引き受けについて説明をしなかったり強制と説明したら問題でしょうか?
  • PTA会費は強制徴収と説明したら問題でしょうか?

PTAの目的

  • PTAの目的とは、どのようなことですか?
  • 昭和におけるPTAの目的とは、どのようなことですか?
  • PTAに学校後援会のような活動があるのはなぜですか?
  • PTAの価値として、どのようなことが考えられますか?

PTA規約

  • PTA規約に決まった形式はありますか?
  • PTA規約として最低限必要な項目は、どのようなことですか?
  • PTA規約の改定にあたっては、どのような事に配慮すべきですか?
  • PTA規約の改定時に注意すべき点はありますか?
  • PTA規約の他に、細則も必要ですか?
  • 表決と採決、議決と決議 どのように使い分けますか?
  • PTA規約の構成の例として、どのようなものがありますか?
  • 規約改定手続きに必要な人数は、どのように決めればいいですか?
  • PTA総会の進行にルールはありますか?
  • 役員、監査、顧問などの人数に決まりはありますか?
  • 役員、監査、顧問などの職務分担などに決まりはありますか?

PTA組織

  • PTAは法律的には、どんな組織ですか?
  • PTAは権利能力なき社団といわれますが、どういうことですか?
  • PTAが任意団体として成立するために、どのような要件が必要ですか?
  • 社会教育関係団体とは、どのような団体ですか?
  • 社会教育に関する事業とは、どのようなことですか?
  • 社会教育関係団体としての自主的な運営とは、どのようなことですか?
  • 社会教育と生涯学習の違いは、どのようなことですか?
  • PTAが社会教育関係団体と言われるは、どうしてですか?
  • PTAは任意団体であり入退会は自由が原則、と言われていますがどうしてですか?
  • PTA会員の総意によってなどの表現が使われますが、「総意」とはどのようなことですか?

PTA組織

  • PTA役員ですが、会議に配偶者が代理で出席するは可能ですか?

PTAと学校

  • PTAの事務を公務として位置付けている場合、学校からPTAへの個人情報の提供は、個人情報保護法に問題がないと聞きましたが、どうなのでしょうか?
  • PTAは、なぜ、学校施設の利用を認められているのですか?
  • PTAは、なぜ学校施設の使用料などで免除や減免が受けられるのですか?
  • PTAと学校の関係との関係は、どのようにあるべきですか?
  • PTAへからの学校への協力は、どのようにあるべきですか?

PTAと教職員

  • 公務員である教員の公務中におけるPTA活動範囲に関する法律はありますか?
  • 自治体が定める兼職兼業に関する事務取扱規程とは、どのようなことですか?
  • PTA会員である教員の公務中におけるPTA活動の適切な範囲とは、どのようなことですか?
  • PTAの会計事務を教員にお願いしていますが、問題ありませんか?
  • PTAの会計事務を学校事務職員にお願いしていますが、問題ありませんか?

連合会など上部団体

  • PTA連合会の役割、組織としての目的は、どのようなものですか?
  • PTA連合会の役割としての「情報共有の機会を提供」とは具体的に、どのようなものですか?
  • PTA連合会の役割としての「地域や行政への情報発信や提言」とは具体的に、どのようなものですか?
  • PTA連合会の役割としての「単位PTAの助成、会員への還元」とは具体的に、どのようなものですか?
  • PTA連合会などの上部団体は、なぜ必要なのですか?
  • PTA連合会などの上部団体としての取り組むべき課題はありますか?
  • PTA連合会などの上部団体として、具体的な取り組み例にはどのおようなものがありますか?

PTAと地域活動

  • PTAと地域は、どのような関係が理想的ですか?
FAQ PTA組織運営

Question & Answer

PTAの任意性

Q.
PTAの任意性(保護者、教員共に)とは、どういうことですか?
A.
弁護士会、税理士会など、法的に資格者がその資格を用いて日本国内で仕事をする際に加入が義務付けられている組織もありますが、PTAは任意団体です。
任意団体とは、仲間等が集まってつくる法人格がない、文字どおり任意で設立する団体のことです。
町内会や各種サークル、政治団体、労働組合など、世の中には、多くの任意団体があります。
保護者、教員に関わらず、入会は、義務や強制ではなく任意です。
PTAでのコンプラインス 2.運営
PTA加入の任意性
2024年5月4日_101
Q.
任意加入した会員ですが、PTA活動への参加も任意ですか?
A.
仮に「PTAには加入は同意しますが、活動には参加したくない」というケースは、どうでしょうか。
ポイント制など、義務を前提としたのルールもありますが、PTAに入会している保護者に対し、活動への参加義務や役員等の着任義務を強制することは難しいと考えます。
PTAに加入に同意したことと、参加義務や着任義務は、基本的には別だと考えられます。
会員となった場合の参加義務や着任義務が、規約に明定されていて、加入時に、その規約に同意していれば別ですが、現実的ではないと思います。
極端な話では、義務を避けるための退会すら選択肢となります。
2024年6月4日_111
Q.
活動の強制性を排除するにはどうしたらよいですか?
A.
本来は、役員も委員もすべて立候補で決めらるのが理想的ですが、あまり現実的ではないかもしれません。
選考ルールに下記のような要素を取り入れる事例もあります。
成功事例もあり、課題が残る場合もあります。
任意団体して、事業のあり方も含めよく話し合い、会員の総意を得ることが必要です。
  • 立候補制度を採用など強制性を完全に排除した方式
  • 他薦や勧誘、ポイント制度などもあるが、あくまで参考情報として、本人の主体的な同意を得る方式
  • 各学級何名などの人数を固定せず、学年、学校単位で選出
  • 本部は、集まった人数で運営、事業を行う場合は、都度募集のサポーター制度
2024年6月4日_115
Q.
ポイント制を利用していますが、注意すべき点はありますか?
A.
ポイント制など、義務を前提としたのルールであり、見直しが理想的です。
一方で、ポイント制は一度始めると、中止することが難しくなる場合もあります。
ポイント制で活動した保護者にとって「ポイント制の中止」は不利益を被る場合もあり、継続を求める声もでてきます。
ポイント制の廃止を検討する場合には「学校から声を声を挙げてもらう」「ルールを修正してポイントの効力を実質的に無効化する」などの方法があります。
2024年6月5日_121
Q.
PTAは、活動の負担も公平であるべきですか?
A.
PTAにおける平等や公平性は重要ですが、あくまでも子どもたちなど支援の提供先に対する配慮で、PTA活動の担い手である保護者の負担についてではありません。
活動の担い手の負担についても、平等や公平性の配慮は必要ですが、あくまで本人の意向に基づく範囲での運営が必要です。
平等の原則を引き合いにした活動の強制性は排除すべきです。
PTA活動では、法令違反を問われるようなケースは考えにくいですが、注意が必要です。
2024年6月4日_123
Q.
強制をなくしたら、活動する人が減りませんか?
A.
強制性を完全に排除した結果、活動する人数はとても少なくなってしまうことがあるかもしれません。
一方で、自ら手を挙げてくれた前向きな人たちの集まりですから、やらされ感のない雰囲気が良い活動になると思います。互いが思いやり、協力しあって楽しく活動している姿は、未加入の方も含め、PTAに対する周囲の意識を変えていくきっかけになると思います。
PTAは、全員加入を目的した団体ではありません。
一般の団体と同様に、強制の代わりに活動内容をアピールし、参加しやすくすると同時に、あとは「集まった人数で、できることをやる」との割り切りも必要です。
任意の団体ですから、できる人が、できる時に、できる事を、集まった人数で、社会教育団体しての活動が楽しくできれば、十分ではないでしょうか。
ポジティブな気持ちでPTA活動に関わる保護者の姿は、子どもたちにとっても「人は楽しく協力しながら生きていくのだ」と実感できる、キャリア教育につながる体験の一つと考えます。
2024年6月4日_131
Q.
担い手の課題解決にはどうしたら良いですか?
A.
担い手の課題への解決策は、任意の集まりである各PTA自身が考えていくことであり、そのあり方はさまざまだと思います。
大切な事は、各会員が当事者意識を持って話し合いを重ねることだと考えます。
会員同士が集まり、話し合い、課題を共有し、合意の形成を行う機会はPTA活動としても重要です。
合意形成には、アンケート実施したり、対話を重ねるなど、時間も手間もかかると思いますが、最終的な結果に対しては、皆が納得してくれると思います。 任意団体として自治・運営を行うこと大切です。
2024年6月4日_133
Q.
活動の担い手を増やすにはどうしたら良いですか?
A.
活動の可視化、柔軟性、組織の多様性の視点が重要です。
地道な対応となりますが、次の様な取り組みも必要だと思います。
  • PTAの目的・活動の目的を伝え、理解を深めてもらうこと
  • 担い手となること、活動をコーディネートすることにやりがいが感じられる仕組み
  • 楽しかったことや成功体験など、活動に共感してくれる仲間を増やしていく
  • 役割の明確化や役割分担の工夫で、負担感や不安感などの払拭
  • 前例踏襲にこだわらず、活動内容や回数などの柔軟な運営
  • 複数代表制やサポーターなどの負担軽減に配慮した組織体制
  • 前例踏襲と平等主義の弊害などによる心理的な束縛感からの解放
    (やらないといけない義務感、こうすべきであるという強制感、免除されるのはずるいという不公平感)
2024年6月4日_141
Q.
役員が決まるまで帰れないなどの対応は、法令違反ですか?
A.
強制に対する苦情として、以下のような事例があります。
  • 役員決めの際に役員が決まるまで会議室から出られない
  • 出席していない会員に役員を割り当てられる
  • 家庭の事情で断ったのに、役員を無理やり押し付けられた
  • 役員免除の理由として、病気や家庭の事情などの個人情報を公開された
  • 何度も自宅に電話や訪問を受けた
PTA活動では、法令違反を問われるようなケースは考えにくいですが、法の精神を踏まえ、注意が必要です。
日本国憲法
第18条(奴隷的拘束及び苦役の禁止)
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
刑法
第220条(逮捕及び監禁)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
第223条(強要)
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
第220条(住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2024年6月4日_151
Q.
役員や委員の引き受けについて説明をしなかったり強制と説明したら問題でしょうか?
A.
役員や委員の引き受けについて任意の説明をしない場合や、強制であるとの説明した場合は、民法9条により、取消を主張されるケースも考えられます。
任意であるとの説明を行い、本人の意思確認をするなど、PTAとして適切な対応が必要です。
民法
第96条(詐欺又は強迫)※一部抜粋
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
  1. 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる
  2. 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
2024年6月4日_153
Q.
PTA会費は強制徴収と説明したら問題でしょうか?
A.
本来、PTAは、任意団体であり、その入退会は会員の意志で決められるべきものです。
一方、少なからずのPTAで、入学と同時に自動的に加入、全員加入を前提とした運営がされてきました。
時代は変わり、PTAは入退会自由の団体ということが広く認知されるようになり、PTA団体には、任意加入の説明と加入意思の確認が求められています。
PTA会費徴収も、任意加入の説明と加入意思の確認の上で行われる必要があります。
消費者契約法

第2条(定義)※一部抜粋

この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。
  1. この法律(第四十三条第二項第二号を除く。)において「事業者」とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。
  2. この法律において「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。

第4条(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)※一部抜粋

消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる
重要事項について事実と異なることを告げること。当該告げられた内容が事実であるとの誤認
消費者庁「消費者契約法」逐条解説の第2条では、「その他の団体」としてPTAが例示されており、PTAは契約の主体として、消費者契約法を遵守しなければいけない立場と考えます。
第4条については、以下が記されています。
消費者が事業者の不適切な勧誘行為に影響されて自らの欲求の実現に適合しない契約を締結した場合には、民法の詐欺(同法第 96 条第1項)が成立しない場合でも、契約の成立についての合意の瑕疵によって消費者が当該契約に拘束されることは衡平を欠くものであるため、消費者は当該契約の効力の否定を主張し得るとすることが適当である。
つまり、消費者契約法では、事業者(PTA)が消費者(保護者)に必要な情報を十分に説明せずに行った契約や、消費者が契約せざるを得ない状況下における契約は不当であり、取り消しできるとしています。
2024年6月4日_155

PTAの目的

Q.
PTAの目的とは、どのようなことですか?
A.
文部科学省総合教育政策局地域学習推進課の「PTA活動事例集 2018年度」には次のような記述があります。
PTAは、子どもの健やかな育成のため、自ら組織し、学び、活動する団体であり、社会教育法(1449年6月10日法律第207号)第10条の「社会教育関係団体」であるとされ、これまでも地域や学校において大変重要な役割を果たしてきました。
PTAの目的や活動は、それぞれの団体の規約等に定められており、子どもたちの健全育成を目的とした活動や、それに資するための会員相互の学び、学校支援活動や地域での諸活動など、全国各地で様々な活動が行われております。
多くの方々にPTA活動に参加してもらい、円滑に活動を行い、子どもたちの健全育成を支えていくためには、活動の目的や意義を保護者や教職員、学校の関係者、地域住民などに理解していただくことが重要です。
学校における働き方改革を進めるにあたっては、地域と学校の連携・協働の下、地域全体で子どもたちの成長を支えることが必要です。一方で、PTA活動においても、共働き、価値観の多様化、核家族化や家庭環境の複雑化、本人や家族の病気や親の介護等、皆が同じ形で参加することは難しくなってきています。
今後は、誰もが参加しやすい環境作りが求められているのではないでしょうか。
相互の思いやりや配慮が欠けていては、子どもの健やかな育成のための前向きな活動が期待できるものではありません。こうした状況を踏まえ、PTAとしても真に必要な活動の取捨選択や、運営の効率化などの改善を図ることも必要となってきています。
2024年5月11日_211
Q.
昭和におけるPTAの目的とは、どのようなことですか?
A.
社会教育審議会による1967年の報告「父母と先生のあり方について」には次のような記述があります。
父母と先生の会(PTA)は、児童生徒の健全な成長をはかることを目的とし、親と教師とが協力して、学校および家庭における教育に関し、理解を深め、その教育の振興につとめ、さらに、児童生徒の校外における生活の指導、地域における教育環境の改善、充実をはかるため会員相互の学習その他必要な活動を行う団体である。
つまり、PTAとは、子どもたちの健やかな成長のために、保護者と教師が協力し、連携を深め、互いに学びあう団体だと考えられす。
2024年5月11日_214
Q.
PTAに学校後援会のような活動があるのはなぜですか?
A.
戦前には、学校への財政的援助や労務的援助を主たる目的とした父母会、保護者会、後援会などがありました。戦後、民主化の一つとしてアメリカのPTAが紹介され、これらの戦前の組織がそのままPTAに衣替えしたケースも多く、PTAの意義が十分に理解されないままに、後援会的な性格を強く残したままの組織としてPTAが発足しました。 戦後しばらくの期間は、学校運営にも財政的に厳しい傾向がありましたが、高度経済成長を経て時代は大きく変わり、多くのPTAに残っていた後援会的性格も徐々に薄れてきました。昨今では、寄付寄贈問題や活動の強制性などがメディアで取り上げられ、PTA活動あるべき姿が問われている時代です。 PTAは学校後援会ではありません。
コンプライアンス的課題への対応はもちろん、会員の一人ひとりがPTAの本来の目的を価値をしっかりと把握し、子どもたちの健全育成をはかるための諸活動を学校や地域と協力して活性化していくことが大切です。
2024年5月15日_215
Q.
PTAの価値として、どのようなことが考えられますか?
A.
学校で行う教育活動に対して、保護者が連携し支援することは教育効果の向上につながります。
こうした事が期待され、PTAが保護者と教職員によって組織されてきた経緯があります。
保護者と教員、保護者と保護者、そして地域も含めた連携をしていくことで、子育ての悩みや教育方針の共有、教育課題の共有や解決が可能となります。
こうしたプロセスは、子どもたちだけでなく、保護者自身が社会の構成員として新たな成長が得られる機会でもあります。
学校教育では、キャリア教育などをはじめ「主体的に社会の形成に参画する態度の育成」が大きな目標になっています。誰もが幸せに生きる未来の担い手を育てるために、友人と力を合わせて学校行事に取り組んだり、授業の中で互いに学び合い、教え合い、支え合い、主体的で対話的な学びが重要視されています。
保護者や教員が担うPTA活動は、「社会の形成者」のモデルとして、子どもたちにとって一番身近な存在とも言えます。PTA活動を、損得勘定やメリットデメリットだけで判断するのではなく、もちろん強制されるものでなく、自らができる範囲の中で、社会形成者の一員として、参画することは大切なことと考えます。
2024年5月11日_221

PTA規約

Q.
PTA規約に決まった形式はありますか?
A.
任意団体の規約は、特にこれ、という形式はありません。
法人の場合は「定款」として法律上記載しなければならない内容が規定されていますが、任意団体の場合は、その団体の活動内容に合わせて自由につくることができます。
任意団体のひとつであるPTAの規約については、権利能力なき社団(人格なき社団)として成立要件と、PTA組織の運営上必要と考えられる規約が最低限必要な項目と考えられます。 詳しくは ≫
団体の規約は、形式的に定めるものはなく、自分たちの団体の目的や活動を具体的にで明文化することによって、会員が共通認識を持ち、円滑に活動をすすめていくために、とても重要な役割があると考えます。
また、規約は、その団体がどんな団体であるかを公に示すものとされます。
2024年5月23日_309
Q.
PTA規約として最低限必要な項目は、どのようなことですか?
A.
PTA規約には、権利能力なき社団(人格なき社団)として成立要件(1〜4)と、PTA組織の運営上必要と考えられる規約(5〜8)が最低限必要な項目と考えられます。
  1. PTA会員の定義
  2. 役員構成(会長、副会長、書記など)や任期
  3. PTA総会における議決方法
  4. 会長や副会長などの役員の選出方法、会計の方法
  5. 組織の名称
  6. 組織の目的・活動内容
  7. 総会の運営方法、役員会の運営方法
  8. 規約の改定方法
2024年5月7日_311
Q.
PTA規約の改定にあたっては、どのような事に配慮すべきですか?
A.
PTA規約は、会員が主体的に運営する任意団体としての「目的」「組織」「運営」「活動」の基本的なルールを定めたものです。
PTA規約の改定を行う場合には、PTA規約が定める手続きに則り丁寧に進めることが必要です。
以下のような手続きで進められることが一般的かと思います。
  1. 役員会で改定案を検討
  2. 常任委員会で改定案を作成
  3. 総会で承認
PTA規約の改定にあたっては、できる限り多くの会員の意見を聞きながら進めていくことが重要です。
具体的には、改定内容を新旧対照表で説明したり、改定目的や望まれる効果などを会員に丁寧に伝えることや、必要に応じてアンケートや 意見交換会などを実施し、可能な限り会員の総意を確認しましょう。
また、会費納入方法、会計処理、役員選出など、PTA独自の不文律のルールが残っている場合には、具体的に成文化しておくことも重要です。
規約や細則の改定をする際には、上位法である社会教育法、教育基本法、日本国憲法、また地方公共団体の制定する子どもの権利条例や、国際条約である子どもの権利条約等の理念を理解したうえで行う必要があります。また、個人情報保護法の遵守も重要です。
2024年5月7日_312
Q.
PTA規約の改定時に注意すべき点はありますか?
A.
規約改定時は、以下のよう事に注意すべきと考えます。
  • PTAの活動目的に沿ったも改定内容であるか。
  • 会員の総意が反映されているか。
  • 過去の活動や運営の経緯を踏まえた上で、将来展望のある改定になっているか。
  • 多数意見は重要であるが、民主的団体として、差別や少数意見排除がないか。
  • 条文内容がわかりやすく整理されていて、条文相互の矛盾などがないか。
  • 細則等がある場合、改定する規約と細則等との整合性があるか。
  • 明定されていない不文律のルールが残っていないか。
2024年5月7日_313
Q.
PTA規約の他に、細則も必要ですか?
A.
規約の改定はより慎重に議論すべき考えから、規約と細則では、改定の要件が異なる場合が一般的です。
ルールの成文化は必要ですが、規約と細則どちらで定めるかを検討することで、より効率的なPTA運営が可能となります。
例えば「PTA会費の額」を「規約」で定めている場合には、時代の変化に対応してなど会費の額を見直す場合、総会の議決が必要となります。
そこで、「規約」では「PTA会費は細則をもって定める」といった文言に留めておき、実際の金額は「細則」で定めるとしておけば、コロナ禍などでも臨機応変な対応が可能となります。
他にも、各種の会議運営、総会開催時期、定例イベントなど、年度毎に変更する可能性がある事項は「細則」に委ねることで、機動的なPTA活動が可能となります。
2024年5月7日_314
Q.
表決と採決、議決と決議 どのように使い分けますか?
A.
  • 表決:会員側から意見を表明すること
  • 採決:議長から見れば表決を取ること
  • 議決:表決の結果、議案などに対し議会の賛否を決定すること(動詞的)
  • 決議:会議である事柄を決定すること、決定した内容など(名詞的)
2024年5月7日_315
Q.
PTA規約の構成の例として、どのようなものがありますか?
A.
PTA規約やPTA会則の見直し等の参考資料です。PTA規約として最低限必要な項目は前述の通りですので、各単位PTAの皆様の活動に応じた構成に変更してご活用ください。
1.総則、目的、方針等
  • 名称
  • 目的
  • 事業・活動
  • 運営方針
2.会員・役員・委員等
  • 会員(任意加入、定義、権利)
  • 役員(定義、任務、選出、任期、補充)
  • 会計監査(定義、任務、選出、任期、補充)
  • 委員(選出、任期、補充)
  • 顧問(選出、任期、補充)
3.集会
  • 総会
  • 実行委員会・運営委員会(定義、任務)
  • 各種委員会(定義、任務)
  • 学年委員会(定義、任務)
  • 学級PTA(定義、任務)
  • 地区PTA(定義、任務)
4.会計等
  • 会費(徴収、使途)
  • 予算と決算と経理
5.その他
  • 規約改正
  • 個人情報取り扱いについて
  • 附則・細則
PTA規約/会則のアップデート
PTA規約や細則(例)
2024年5月7日_316
Q.
規約改定手続きに必要な人数は、どのように決めればいいですか?
A.
PTAを運営していく上で、規約や細則が時代や状況とあわなくなってきたなど、規約や細則の改定を検討されるPTAも多いと思います。
PTA規約や細則の改定を検討される場合には、議決に必要な人数を事前に確認しておきましょう。
PTAによって異なりますが、具体例で必要な人数を確認してみましょう。

規約の例

規約については、出席会員(委任状を含む)の3分の2以上または過半数の賛成などが一般的でしょう。
例えば、会員数300人のPTA総会で委任状を含む出席者が450人いた場合は、2/3の場合で200人の賛成、過半数の場合で101人の賛成が必要です。

細則の例

細則については、役員会や実行委員(本部委員)の過半数の賛成などが一般的でしょう。
通常、構成員は、PTA役員、各委員長、学校(校長、副校長、教頭、先生)から構成されており、構成員が15人場合では、8人以上の賛成で細則の改定が可能です。
2024年5月7日_317
Q.
PTA総会の進行にルールはありますか?
A.
PTA総会の進行に関する一般的な事例です。
それぞれのPTAの規模や会議の内容等により、民主的な会議であれば、方法はさまざまで良いと考えます。
動議があった場合は、支持者の有無確認、採決などの対応が必要です。
  1. 開会の辞
  2. 成立宣言
    出席者数、委任状数、欠席者数を確認、総会成立の宣言
  3. 議長選出
    まず、立候補または推薦の有無を確認、なければ一任をとりつけ、事前に依頼しておいた方を議長を選出。
  4. 議事
    • 事業報告 … 報告、質疑応答、承認の採決
    • 決算報告 … 報告
    • 監査報告 … 報告、、質疑応答、承認の採決
    • 役員選出 … 新年度役員を選出(候補者を報告・提案)
  5. 役員挨拶
    旧・新役員代表挨拶
    ※議事は新役員により進行
  6. 議事
    • 事業計画案 … 提案、質疑応答、採決
    • 予算案 … 提案、質疑応答、採決
  7. 閉会宣言
2024年5月11日_331
Q.
役員、監査、顧問などの人数に決まりはありますか?
A.
単位PTAの場合は、任意団体の場合がほとんどであり、任意団体としての規約には(権利能力なき社団としての)団体成立要件として、役員について、下記の規定が必要です。
  • 役員構成(会長、副会長、書記など)や任期
  • 会長や副会長などの役員の選出方法、会計の方法
一方で、各役職の種類や名称、人数などは、各団体の活動内容応じて決めるることができます。
10名以上の副会長が、職務を分担しているなどの事例や、会長が3名のPTAの事例もありました。
単位PTAによって異なりますが、役職のあり方は下記のいずれかで運営されている場合が一般的です。
  • 組織として、各役職毎に、役割や具体的な活動内容を定義して活動
  • 役職はあくまで便宜的なものとして、役職に関わらず、全ての役員がチームとして活動
いずれの場合でも、団体としての役職のあり方について、会員の間で合意の形成がなされていることが必要と考えます。
会員が共通認識を持ち、円滑に活動をすすめていくためには、規約以外の文書でも構いませんが、役職のあり方を明文化することも必要でしょう。
2024年5月23日_341
Q.
役員、監査、顧問などの職務分担などに決まりはありますか?
A.
任意団体として、代表を規定することは必要ですが、代表者以外の役職の種類や名称、人数などは、各団体の活動内容応じて決めるることができます。
定期的に団体の構成員である会員が入れ替わっていく、PTA団体としては、各役職毎に、役割や具体的な活動内容の定義、また定義された職務を行うために適切な人数など、役職のあり方について、明文化することが必要と考えます。 明文化にあたっては、会員間での合意形成がなされていることが前提です。
役割や具体的な活動内容の定義を、明文化することにより、前例踏襲的な課題なども明確になり、活動内容などの見直しをする場合にも、論点がより明確になります。
各役職に関する役割や具体的な活動内容について、会員が共通認識を持つことは、現在の活動を円滑をすすめるだけでなく、将来の役員や会員に向けても大切な運営方針と考えます。
2024年5月23日_342

PTA組織

Q.
PTAは法律的には、どんな組織ですか?
A.
任意団体であるPTAについて、しっかりと規定している法律はありません。
PTA及び青少年教育団体の相互扶助の精神に基づき、その主催する活動における災害等についてこれらの団体による共済制度を確立し、もって青少年の健全な育成と福祉の増進に資することを目的とする「PTA・青少年教育団体共済法」では、PTAについて以下の様に定義されています。
PTA・青少年教育団体共済法

第2条(定義)抜粋

PTAとは、学校に在籍する幼児、児童、生徒若しくは学生び当該学校の教職員で構成される団体又はその連合体をいう。
PTAとは、各学校で組織された、保護者と教職員による社会教育関係団体のひとつです。
PTAは任意加入の団体であり、結成や加入を義務付ける法的根拠はありません。
任意の団体とは、多数の者が一定の目的を達成するために結合した団体です。
2024年5月7日_411
Q.
PTAは権利能力なき社団といわれますが、どういうことですか?
A.
私法(市民相互の関係を規律付けるもの)上では、権利や義務の主体になれる「資格」のことを「権利能力」といいます。 この「権利能力」を持たない者は契約を締結するなどの権利や義務を持つことができません。
権利能力をもつのは自然人と法人であり、PTAは法人格を持たない任意団体として「権利能力なき社団」や「人格なき社団」とされています。
  • 一部の連合会や協議会では「社団法人」などの法人格のあるPTAもあります。
権利能力を持っている者は
  • 自然人:生まれながらにして権利能力を持つ
  • 法 人:登記手続きなどルールに基づき一定の範囲内で権利能力を持つ
2024年5月7日_412
Q.
PTAが任意団体として成立するために、どのような要件が必要ですか?
A.
PTAは法人格を持たない任意団体です。
権利能力なき社団(人格なき社団)が成立するためには、いくつかの要件があります。

団体としての組織をそなえられていること

構成員であるPTA会員の中から代表者としてPTA会長が選任され、PTA会員とは独立した存在とされる組織構成が必要です。

会議では多数決の原則が適用されていること

総会や役員会、常任委員会(本部委員会)などの各種会議において、多数決の原則が実施されていることが必要です。出席者の2/3や全会一致なども意思決定も多数決の原則に含まれます。

構成員の変更にかかわらず団体が存続すること

構成員であるPTA会員の変更とは、児童や生徒の卒業によりPTA会員が退会しても、新入生の保護者が新たにPTA会員として入会することです。
この様に団体の構成員であるPTA会員が変わっても団体が存続していることが必要です。

代表の選出方法、会議の運営方法、財産の管理の方法などを定めていること

PTA規約や細則があり、総会や役員会などの合議体で議決すべき事項などを成文化するのが一般的です。
また、総会で会長など役員が選出され、各役職に応じて業務が決めておくことも必要です。
2024年5月7日_413
Q.
社会教育関係団体とは、どのような団体ですか?
A.
学習・文化・スポーツなど社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とし、その活動を、地域文化・スポーツの向上や生活文化の振興、さらには社会福祉の増進につなげ、自主的な運営をする団体で教育委員会に申請し、登録された団体のことです。
社会教育法

第10条(社会教育関係団体の定義)

この法律で「社会教育関係団体」とは、法人であると否とを問わず、公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいう。

第11条(文部科学大臣及び教育委員会との関係)

文部科学大臣及び教育委員会は、社会教育関係団体の求めに応じ、これに対し、専門的技術的指導又は助言を与えることができる。
2 文部科学大臣及び教育委員会は、社会教育関係団体の求めに応じ、これに対し、社会教育に関する事業に必要な物資の確保につき援助を行う。

第12条(国及び地方公共団体との関係)

国及び地方公共団体は、社会教育関係団体に対し、いかなる方法によつても、不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えてはならない。
2024年5月7日_421
Q.
社会教育に関する事業とは、どのようなことですか?
A.
技術の習得や教養を高めたり、生活を充実させたり、地域をよくするために行われる学習・文化・スポーツ等(学習活動、文化芸術活動、スポーツ・レクリエーション 活動、ボランティア活動)のことです。
2024年5月7日_522
Q.
社会教育関係団体としての自主的な運営とは、どのようなことですか?
A.
学習・文化・スポーツ等の活動を行おうとする人たちが、自発的に団体をつくり、目的、活動内容、運営組織、役員、予算、会費等を会員全員で話し合い、活動を進めていくことです。
以下のような団体は、社会教育関係団体ではありません。
  • 塾や各種教室のような講師が中心になり月謝をとり活動している団体
  • 会員相互の親睦や交流のみが目的となっている団体
2024年5月7日_423
Q.
社会教育と生涯学習の違いは、どのようなことですか?
A.

生涯学習

生涯学習は、その名のとおり生涯にわたる学習活動のことを指します。
  • 家庭教育:人間は、生まれるとすぐに、家庭を中心としてさまざまな学習を始めていきます。
  • 学校教育:学齢期になると、学校で教科学習を始めることとなります。
  • 社会教育:学校以外でも友達との関係や地域社会などで多様な学習機会に出会い、経験・学習を重ねていくことのほか、学校を卒業して就労を始めると、仕事に関する学習や、豊かで充実した人生を送るための学習を続けることになります。
このように、生涯学習は、家庭教育・学校教育・社会教育のすべての学習を含んでおり、わたしたち一人一人の生きていく姿そのものに深くかかわっています。

社会教育

社会教育は、生涯学習のうち、「学校教育」に含まれないすべての学習活動ということができます。
例えば、仕事をする上でその知識を深める学習や、スポーツや趣味を楽しむ活動、自分の興味がある事項について調べることなどあらゆる学習活動が該当します。
また、これらで学習した成果を地域社会に還元していくことが社会教育の役割でもあります。 社会教育の活動を援助するために、社会教育施設(各公民館・市民会館など)や教育委員会などはさまざまな事業を実施しています。
2024年5月7日_424
Q.
PTAが社会教育関係団体と言われるは、どうしてですか?
A.
自主・自律的に運営を行う任意団体としては、PTAの位置づけは、地域で活動する学習サークルと同じです。
PTAが社会教育関係団体であることについては、以下の要件を満たしているからと考えます。
  • 社会教育行政への協力活動を行っている団体であること
  • 公の支配に属しない団体として、社会教育に関する事業を行うことを主たる目的としていること
  • PTAが、学校や地域において、全児童・全生徒の健やかな成長のために必要な、教育行政への協力活動を行うことは、社会教育関係団体としての公共性があること
2024年5月7日_425
Q.
PTAは任意団体であり入退会は自由が原則、と言われていますがどうしてですか?
A.
根拠として、日本国憲法 第21条「結社の自由」がよく引き合いにされています。
日本国憲法
第21条(結社の自由)
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
  1. 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

文部科学省の事務連絡

2010年4月26日付の文部科学省から各都道府県教育委員会に送付された事務連絡の中では、優良PTA文部科学大臣表彰の選考基準に「任意加入の団体であることを前提」と記載されています。
事務連絡(抜粋)
各都道府県教育委員会 生涯学習・社会教育担当課 御中
文部科学省生涯学習政策局 社会教育課
平成22年度優良PTA文部科学大臣表彰について
優良PTA文部科学大臣表彰につきまして別添のとおりご連絡させていただきます。
今年度は、優良PTA文部科学大臣表彰要項に基づき、各都道府県教育委員会から提出される調査表(別添1)の記載項目と記載例を一部変更しております。
これは、PTAが任意加入の団体であることを前提に、できる限り多くの保護者と教師が主体的にPTA活動に参加できるよう組織運営や活動内容の工夫をしている団体を適切に評価できるようにするものです。
優良PTAの推薦にあたっては、変更点をご確認いただくと同時に、以下の点に注意して審査、推薦いただけますようお願いいたします。
2024年5月7日_431
Q.
PTA会員の総意によってなどの表現が使われますが、「総意」とはどのようなことですか?
A.
PTAにおける総意形成とは、PTA会員のさまざまな意見の調整・取りまとめを行うことと考えます。
総意形成の機能を発揮するためには、「PTA会員が、PTA総会などで意思決定した結果を、PTAの総意であると納得している」ことが重要であり、そのためには、次のような要件が必要と考えます。
  • 意思決定の場であるPTA総会に、任意加入による会員が出席している、または出席する機会が保障されている。
  • 役員会など執行部が、PTA課題や会員ニーズを的確に把握している。
  • 会員間で意見を調整し、意思決定している。
  • 意思決定した内容を、責任をもって会員に説明している。
総意とは ブリタニカ国際大百科事典には、次のように記載されています。
通常、組織または団体を構成する構成員の全体の意思をいう。
個々の構成員の具体的な意思の総和として観念されることもあれば、ルソーの社会契約説における一般意志のように単なる総和をこえたあるべき正しい理念の意味で用いられることもある。
また、組織または団体の比較多数あるいは一定機関の意思をもって、総意と表現する場合も少くない。 日本国憲法1条が,天皇の地位は「主権の存する日本国民の総意に基く」と定める場合の「国民の総意」がこれらのなかのいずれにあたるかについては深刻な争いがある。
2024年5月12日_441

PTA組織の運営

Q.
PTA役員ですが、会議に配偶者が代理で出席するは可能ですか?
A.
役員は、総会で承認された特定の個人であり、単位PTAを代表して会議などに参加することもあります。
総会での承認は、特定個人の持つ知見や人格などが裏付けなっていると推定され、一律に、配偶者による代理が許容の範囲であるとはいえないと考えます。
PTA組織の運営においては、役員が出席できない場合、代理の方が出席する場合も想定されますが、配偶者でも代理出席が可能な場合と、他の役員に代理出席をお願いすべき場合があると考えます。
単位PTAとして、代理の方による出席が可能な範囲と代理の方の立場について、PTA内で議論をし合意形成することが必要ではないでしょうか。
代理出席について検討する場合の一例です。
連合会などの単位PTA以外の会議など
  • 連合会などの会長会において、単位PTAとして出席する会長の代理で副会長が出席
  • 連合会などの副会長会において、単位PTAとして出席する副会長の代理で会長が出席
  • 連合会などの副会長会において、単位PTAとして出席する副会長の代理で委員が出席
単位PTAの会議など
  • 役員会において、役員の代理として、配偶者が出席
  • 役員会において、役員の代理として、委員が出席
  • 登校時の見守りにおいて、役員の代理として、他の役員が対応
  • 登校時の見守りにおいて、役員の代理として、他の委員が対応
  • 登校時の見守りにおいて、役員の代理として、配偶者が対応
  • 登校時の見守りにおいて、役員の代理として、PTA業務代行サービスのスタッフが対応
2024年5月21日_531

PTAと学校

Q.
PTAの事務を公務として位置付けている場合、学校からPTAへの個人情報の提供は、個人情報保護法に問題がないと聞きましたが、どうなのでしょうか?
A.
教育委員会がPTAに関するどの職務を公務として位置づけるかどうかは、各教育委員会の裁量による範囲と考えます。学校長や教職員が、公務と明確に区分されていない状態でPTA事務を行っている場合は、自治体による事務規程などの整備と運用が必要ではないでしょうか。
また、当該事務を職務専念義務免除の対象とする必要性についてをPTAと学校で協議するなどの対応が必要であると考えます。
PTA事務の学校委託
学校長や教職員によるPTA事務
都道府県や市区町村の「個人情報保護に関する条例」では、教育委員会(学校)は、保有する個人情報を利用目的以外のために第三者に提供してはならないと規定されている場合が一般的です。
公立学校の実施機関である各自治体の「個人情報保護に関する条例」を確認してください。
こうした条例がある場合、本人の同意を得ずに、学校からPTAに対して児童・生徒や保護者名簿(個人情報)を 提供することは、条例違反となる可能性があります。
学校側から保護者に対して、学校の保有する個人情報をPTAに提供することについて同意を得るなどの対応が重要です。具体的には「学校における個人情報の取扱いならびに使用の同意について」などのの同意書に「学校の保有する個人情報をPTAに提供します」の項目を記載しておく対応です。
PTAでのコンプラインス 3.会費
学校が児童・生徒や保護者の名簿をPTAに提供
もちろん、PTA会費の徴収を学校に委託するなど、PTAから学校へ、会員情報など個人情報を提供する場合も、第三者提供にあたります。
PTA側が保護者に対して、学校への個人情報提供を行う旨の事前同意を得ることが必要です。
個人情報保護 PTAでの対策は
個人データを第三者に提供するとき
2024年5月4日_601
Q.
PTAは、なぜ、学校施設の利用を認められているのですか?
A.
PTAとは「Parent Teacher Association、父母と先生の会」の略で、保護者と教師が協力して子どもの教育環境をより良いものに整えることを目的とした団体で、「社会教育関係団体」として位置付けられています。
PTAでのコンプラインス 1.組織
社会教育関係団体とは
PTAは、自主・自律的に運営を行う任意団体としては、地域で活動する学習サークルと同じですが、PTAは、社会教育行政への協力活動を行っている団体として、その公共性が求められています。
  • 社会教育とは学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動を指します。
  • PTAは、社会教育行政への協力活動を行っている団体
  • 社会教育関係団体とは、法人であると否とを問わず、公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするもの(社会教育法第10条)
  • 社会教育関係団体の公共性とは、PTAの場合、その活動が、学校や地域において、全児童・全生徒の健やかな成長のために必要な、教育行政への協力活動を行うこと
公立の学校教育は、地方分権、教育分権に基づくものであり、各地方毎に様々な地域特性(風土、住民気質、教育委員会や学校長の見解、財政事情等)があります。
PTA活動においても、こうした地域特性が反映されていますが、社会教育関係団体としての要件を備えた上での適正な活動は、PTA活動の必須条件です。
PTAが、学校施設を無償で確保でき、諸設備を活動に使用できるのは、学校施設令 第3条第1項第二号の許可に基づいています。また、同条第2項にある「他の法令の規定」とは、学校教育法第137条などを指しています。
学校教育法の条文で「社会教育その他公共のため」と明文化されているため、PTAが社会教育関係団体であることが、学校内で活動したり施設を無償で使用したりする法的根拠となっています。
PTAでのコンプラインス 1.組織
学校施設利用の根拠
2024年5月4日_611
Q.
PTAは、なぜ学校施設の使用料などで免除や減免が受けられるのですか?
A.
文部科学省の小学校施設整備指針や中学校施設整備指針(2022年6月改訂)には、地域と学校の連携・協働のためのスペースとして、次の様な記載があります。

PTA室は地域と学校の連携・協働のため

  • 学校運営協議会、地域学校協働活動やPTA活動の拠点となる場など地域に開かれたコミュニティスペースの場として計画することが重要である。
  • 学校運営協議会や地域学校協働活動、PTA活動の拠点、企業及びNPO並びに地域運営組織及び農村型地域運営組織等との連携のためのスペースやコミュニティスペースとしての利用のみならず、学校教育における利用も考慮しつつ、必要な家具等を配置し、多様な活動に伴い必要となる諸行為を安全かつ円滑に行うことのできるような面積、形状等とすることが重要である。

施設の使用料の免除や減免

地方公共団体においては、行政財産使用料条例、学校設備使用条例などがあり、公共的団体が団体本来の活動目的で利用する場合は、減額50%など規定がある場合もあります。
PTAが学校施設の使用料が免除されるのは、次の様な考え方が一般的と考えます。
  • 学校内におけるPTA活動は、教育行政への協力活動であること
  • PTAは、その学校の全児童・生徒への学校行事や学校運営を円滑に行うための協力活動を行う公共的団体であること
  • 文部科学省の施設整備指針にあるように、PTA室については地域と学校の連携・協働のため、「学校運営協議会,地域学校協働活動やPTA活動の拠点となる場など地域に開かれたコミュニティスペースの場」として設けられていること
2024年5月7日_612
Q.
PTAと学校の関係との関係は、どのようにあるべきですか?
A.
学校は、子どもたちの教育を推進するために校長を中心として教職員がそれぞれに校務を分担し、組織化された公の教育機関であり、その運営は、学校教育法などの法律に基づいて運営されることになります。
一方、PTAは、子どもたちの幸せのために保護者と教員が自主的に組織し運営する任意団体です。PTAには、法的な制約もなく、自ら作成する規約により、運営されることになります。公の教育機関である学校とPTAの活動は、全く別のものであり、区別されなければならないものです。
また、保護者も学校教育を受けている子どもの保護者としての立場と、PTAの保護者会員としての立場が異なることも考えられます。教員も学校教育に携わり校務を執行する公務員としての立場と、PTAの教職員会員としての立場が異なるも考えられます。
同じ会員として、同じ規約に則りPTA活動に協力を行う立場ですが、区別すべき状況もあります。
曖昧になりやすい場合もありますが、PTA会員の構成員には、子どもの保護者、PTA保護者会員、校務を執行する教員、PTA教員会員という4つの立場があることへの理解が必要です。
2024年5月11日_621
Q.
PTAへからの学校への協力は、どのようにあるべきですか?
A.
PTAは、学校に対し積極的に協力していくことが理想的です。もちろん、コンプライアンス上の問題がないことが大前提です。学校とPTAが相反した考え方や行動をしていたのでは、子どもの健全な成長と幸せを求めることはできません。
学校に協力するためには、まず、学校の教育活動がよく理解されていることが重要です。そのため、PTAには、その活動の中に学校の教育目標や教育内容、指導方針などを理解するための学習機会を組み入れていくこと求められています、
一方、学校は、様々な機会を用意して保護者に学校の考え方を示し、理解を得る努力が望まれます。また、校長をはじめ教員には、保護者や地域社会の人々と積極的に連携していく姿勢も必要でしょう。
教職員と保護者が互いにそれぞれの立場を理解しあえるよう、話し合いの機会なるべく多く持つことで、お互いの信頼関係を醸成していくことが大切です。
学校とPTAは、お互いをよく理解した上でのカウンターパートとして、協調と協力、時には緊張感を持って教育課題に取り組むことが理想的です。ただ、非難するだけでは、前向きの発想は生まれてきません。
2024年5月11日_623

PTAと教職員

Q.
公務員である教員の公務中におけるPTA活動範囲に関する法律はありますか?
A.
地方公務員法や教育公務員特例法はありますが、活動範囲に関する細かな点は、自治体が定める兼職兼業に関する事務取扱規程などがあります。

地方公務員法

第35条(職務に専念する義務)
教職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

教育公務員特例法

第17条(兼職及び他の事業等の従事)
教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十七条第一項に規定する県費負担教職員については、市町村(特別区を含む。)の教育委員会。第二十三条第二項及び第二十四条第二項において同じ。)において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。
2024年5月4日_711
Q.
自治体が定める兼職兼業に関する事務取扱規程とは、どのようなことですか?
A.
自治体によって異なりますが、兼職兼業に関する事務取扱規程(例)です。

規定に基づき指定する業務

公務ではないが、教育に関する公益性が高く、かつ学校教育に有益なものについて、教職員が、団体の職に就き、又は団体の業務若しくは団体の主催する業務を行う場合のうち、従事時間が勤務時間外で報酬を得るもの又は従事時間が勤務時間内で報酬を得ないものとします。
なお、団体とは、学校関係団体(PTA・同窓会・後援会等)、教育に関する公益財団法又は公益社団法人、教育に関係している非営利型法人である一般財団法人又は一般社団法人を指します。

承認・許可の基準

承認・許可できるものは、次の条件をすべて満たすものであること。
  1. 公務の遂行に支障がないこと
  2. 教員としての信用を失墜させるおそれがないこと
  3. 報酬を得る場合、受領する額が当該業務の対価として社会通念上妥当な額であること
2024年5月4日_721
Q.
PTA会員である教員の公務中におけるPTA活動の適切な範囲とは、どのようなことですか?
A.
公立学校の教職員が勤務時間中にPTAの案内等を生徒・児童に配布したり、その説明をしたりする行為は公務員の職務専念義務に反するという主張もあります。
一方で、PTAは任意団体ですが、学校運営に不可欠なものとして社会に理解されているという側面もあります。
PTA活動は、設立当初から教職員と保護者とで構成された団体が学校教育活動と不即不離の関係を保ちながら、当該学校の適正かつ円滑な運営に寄与してきました。この結果、教職員によるPTA活動と公務とが明確に区別しにくい状況が生じてきたことも事実です。
PTAは学校とは異なる団体であるため、教育公務員特例法の規定により、学校長などがPTAの職を兼ね、PTAの事務などを行う場合には、教育委員会の承認が必要と考えられます。
学校長や教職員が、公務と明確に区分されていない状態でPTA事務を行っている場合は、自治体による事務規程などの整備と運用が必要です。
また、当該事務を職務専念義務免除の対象とする必要性について、PTAと学校で協議するなどの対応も必要と考えます。
2024年5月4日_731
Q.
PTAの会計事務を教員にお願いしていますが、問題ありませんか?
A.
教員がPTAの会計事務を行うためには、教育委員会の承認が必要と考えられます。 それ以前に、教員の長時間労働が社会問題とされている中、教員がPTAの会計事務(兼職兼業)を行う場合には、申請書の提出以前の問題として、教員本来の業務に障害はないと確実に言えるのかどうかについての疑問が残ります。
保護者が会計事務を行うことはできないのか、学校の事務職員等が事務を行う余地はないのかなど、代替的な方法についても、検討する必要があると考えます。
2024年5月4日_741
Q.
PTAの会計事務を学校事務職員にお願いしていますが、問題ありませんか?
A.
教員以外の学校事務職員でも、以下の点から法令等に違反する可能性がある事例です。
適切な手続きのもと、事務が行われているのかを確認しましょう。
  • 教育委員会の承認がない状態で、事務職員が勤務時間内にPTA会計の事務処理を行うこと
  • 事務職員が、勤務時間内にPTA会計の事務を行う場合「役員、職員等の地位を兼ねること」の規定がある場合、事務職員がPTAの役員等を兼ねることなくPTA会計の事務処理を行うこと
2024年5月4日_742

連合会など上部団体

Q.
PTA連合会の役割、組織としての目的は、どのようなものですか?
A.
公立学校の設置者は各自治体であり、地域における課題や取り組みなど、地域住民や行政に対するカウンタパートとして、PTA連合会の果たすべき役割は重要です。
地域の連合会としての役割は、大きく3つあると考えます。
  • 情報共有の機会を提供
  • 地域や行政への情報発信や提言
  • 単位PTAの助成、会員への還元
    • 会費のある連合会が前提です。
2024年5月4日_811
Q.
PTA連合会の役割としての「情報共有の機会を提供」とは具体的に、どのようなものですか?
A.
PTA連合会が果たしている大きな役割の一つが、PTAリーダーを対象とした研修会の実施です。
あり方は様々ですが、各学校の単位PTAの代表者や学校関係者を招き、どうすればPTA活動を活性化できるかなど、多くのPTAが課題に感じているテーマを基に、事例発表や地域の単位PTA同士での情報交換を通して、その情報を共有します。
単位PTAとして、PTA活動のアップデートやより良いPTA活動を考える際「他校のPTAはどのよう取り組みをしているのか」「どんな成功事例があるのか」などの情報は、非常に重要です。
このように、地域における課題や取り組み、成功事例など、単位PTAにとって必要な情報共有の機会を提供することが、PTA連合会が果たす重要な役割であり目的の一つです。
リーダーを対象とした研修会以外にも、保護者向けの研修会なども実施されているのが一般的です。
2024年5月4日_812
Q.
PTA連合会の役割としての「地域や行政への情報発信や提言」とは具体的に、どのようなものですか?
A.
公立学校の設置者は各自治体であり、地域における課題や取り組みなど、地域住民や行政に対するカウンタパートとして、PTA連合会の果たすべき役割は重要です。校長会や教育委員会との定期的な意見交換会を実施しているPTA連合会も多いと思います。
各単位PTAでは、地域性、土地柄や伝統があるなど、それぞれの学校ならではの個性を持っています。
特色ある取り組み、あるいは伝統的に行われている活動など、学校単位の取り組みとして、単位PTAだけでも対応可能なことも数多くあると思います。
一方で、PTA加入意思確認の実施、PTA会費による不適切な寄付、給食費の無償化、地域の安全、災害時の対応など、地域の課題への取り組みには、地域のPTA連合会の力が必要です。
さらに、いじめ問題、不登校問題、SNS利用リスク、教育費の負担軽減、教員の負担軽減など、より大きな課題については、都道府県のPTA連合会や全国単位のPTA組織が取り組むべき事柄です。
単位PTAだけでは解決が難しい課題や取り組みについては、PTA連合会がとりまとめ、地域や行政への情報発信や提言などを行うべきと考えます。
2024年5月4日_813
Q.
PTA連合会の役割としての「単位PTAの助成、会員への還元」とは具体的に、どのようなものですか?
A.
加入団体からの会費(分担金)以外にも、地域のPTA連合会が、安全会や団体補償制度などを運営している場合、事務手数料や制度運営金などの収入がある場合もあります。
PTA連合会の運営費は必要ですが、運営費を除いた部分で、会費(分担金)の有効活用も求められています。
以下に挙げたものは一例ですが、PTA連合会が担うべき事業は多数あります。一方で、限られた予算の中で、地域の状況に応じた助成制度や還元方法などを含め、事業の選択も必要となります。
PTA連合会の運営費は必要ですが、運営費を除いた部分で、会費(分担金)の有効活用も求められています。
単位PTAだけでは実現が難しいPTA連合会が担うべき事業は多数あります。一方で、限られた予算の中で、地域の状況に応じた助成制度や還元方法などを含め、事業の選択も必要です。
  • 子どもたちを対象とした地域イベント開催
  • 保護者を対象にしたセミナー開催
  • 単位PTA単位で参加するイベント開催(スポーツ大会など)
  • 子どもたちに対する表彰事業(各種コンクールなど)
  • 単位PTAの活動に対する表彰事業(広報活動など)
  • 保護者や教員、単位PTAを対象としたアンケートの実施
  • 単位PTAへのIT導入支援(一括契約や導入時の講習会開催や費用負担軽減策など)
  • 単位PTAで共有できる備品の購入や管理(イベント用のトランシーバーなど)
  • 地域のPTA連合会として推奨すべき事業(例えば先進的な取り組みで他の単位PTAへの波及が見込まれる事業など)を行う単位PTAへの助成
2024年5月4日_814
Q.
PTA連合会などの上部団体は、なぜ必要なのですか?
A.
地域の課題や情報の共有、話し合いや取り組みができるのは、地域の連合会であり、市区町村郡のPTA連合会には、単位PTAにはない重要な役割があると考えます。
市区町村郡での課題や取り組み、都道府県での課題や取り組みは異なるものがあり、連携すべき行政組織も異なり、市区町村郡のPTA連合会の役割と共に、都道府県のPTA連合会にも大きな役割があると考えています。
市区町村郡と都道府県のPTA連合会が事業や役割を補完し合う機能が働けば、双方の負担軽減につながり、より良い取り組みへの余裕が生まれるのではないでしょうか。
相乗効果、補完機能がうまく機能していない場合の原因ひとつは、組織の活動の見直し、アップデート状況の差、取り組み実行へのスピード感の差にあるのではないかと考えています。
単位PTAにおける大きな意識改革の流れは、PTA連合会にとっても同じ状況であると思います。
市区町村郡、上部団体である都道府県、各PTA連合会が今一度のあり方を見直し、役割分担を明確化する事で、学校、市区町村郡、都道府県のそれぞれのPTA連合会の価値を再定義できると考えます。
本来、上部団体としてPTAは、保護者から意見を吸い上げて活動するボトムアップ型組織としての役割も重要です。戦後まもない時代には、トップダウン型の仕組みは必要だったかもしれませんが、現在では、内容により上意下達の仕組みを見直す必要があると考えます。
上意下達の仕組みを機能させるのであれば、上部団体として、「任意加入」「選択の自由」「強制は最小限に」「個人情報の適切な取り扱い」などを、下部組織へと伝えていくことなどが求められています。
2024年5月4日_821
Q.
連合会などの上部団体として検討すべき課題はありますか?
A.
PTA連合会の活動により様々ですが「これまで行ってきたから」という理由だけで続く、前例踏襲的な仕組みや事業については、話し合いの機会を設けるべきではないかと考えます。
続けてきた仕組みや事業を継続することも重要ですが、あり方のアップデートを検討する機会を設けることも必要ではないでしょうか。
  • 子どもの健全な成長をはかるための活動につながることか?
  • 単位PTAまたはその会員である保護者・教員が、求めている事業なのか?
  • 費用対効果はどうなのか、他の方法はないのか?
  • 保護者と学校、保護者同士、地域、学校と地域への影響はどうなのか?
  • 行政への要望書(実現された事業を精査)
  • 懇親会、研修旅行は今後も必要か?
  • 充て職と呼ばれる会議出席のあり方
2024年5月4日_831
Q.
PTA連合会などの上部団体として、具体的な取り組み例にはどのようなものがありますか?
A.
単位PTAの負担軽減につながる仕組みとして、参加したくなる単位PTA組織作りへのサポートは、PTA連合会が単位PTAから求められている役割の一つだと考えています。
既に、実施済みの事例もあると思いますが、市区町村郡と都道府県の連合会で、事前に役割や事業の分担をして実施する方がスマートな取り組みになると思います。
  • 単位PTAへのメール配信システム導入(単位PTAにアカウント提供)
  • 保護者へのメール配信システム導入(行政との連携)
  • 子どもたちの通学路など地域安全確保(人的対応やシステム導入)
  • 単位PTAにおける保護者間コミュニケーションツールの導入支援
  • PTA室におけるインターネット環境の整備
  • 単位PTAにおけるオンライン会議の導入支援
  • 単位PTAの実態集約と広報(単位PTA対象のアンケート実施)
  • 保護者の意見集約と広報(保護者や教職員対象のアンケート実施)
  • 意見集約の活用(行政との連携、地域への広報)
  • PTA連合会が行う研修会などへのオンライン会議システムの利活用
  • 給食費の公会計化に関する対応(行政との連携)
  • PTA会費集金の負担軽減
  • 保護者への課題共有セミナー(給食費の無償化、教育費の負担軽減など)
  • 他の単位PTAでの事例共有、ノウハウ提供
  • 地域の方に向けた広報活動(地域向けの連合会公式LINEアカウントなど)
市区町村郡と都道府県の連合会による役割や事業の分担以外にも、当協議会が提供する情報共有やサービスを活用いただくことも、負担軽減につながる選択肢の一つです。
2024年5月4日_832

PTAと地域活動

Q.
PTAと地域は、どのような関係が理想的ですか?
A.
家庭や学校と共に、地域社会は子どもの健全育成に大きな意義を持っています。子どもたちは地域社会から多くの事を学び、さまざまな影響を受け、大人へと成長していきます。
一方で、人口動態、都市化の進行、人間関係の希簿化などにより、地域社会の持つ教育力は低下しているとも言われています。
子どもも保護者も地域の一員であり、子どもは地域社会の中で、多くの時間を暮らし育っていきます。子どもの健全育成を標榜するPTAは、地域社会が抱えている課題を共有し、その解決にも協力することで、よりよい地域づくりに積極的に取り組むことが望まれています。
地域の課題が解決されることは、子どもたちが健やかに育つ環境が生まれ、保護者も含めたすべての地域住民にとって、より住みやすい豊かなコミュニティへとつながると考えます。
地域活動を進めていく際には、他の地域活動団体と連携や協力していくことが必要となります。PTAだけでは、地域社会が抱えている課題に取り組むことは困難です。
連携や協力することが、より多くの地域住民の理解を得られる事につながり、課題の解決へとつながります。
PTAは、学校と家庭、地域社会をつなぐ、中核的な役割を担っています。
2024年5月11日_911
FAQ
facebookでシェア
LINEでシェア
Xでシェア
リンクをコピー
全国PTA連絡協議会は、本サイト等の内容およびご利用者様が本サイトを通じて得る情報等について、その正確性、完全性、有用性、最新性、適切性、確実性、動作性等、その内容について何ら法的保証をするものではありません。当サイトに掲載されている情報を利用することで発生した紛争や損害に対し、当協議会は責任を負わないものとします。
また、本サイトの一部には法律的な根拠を求めることが難しい内容も含まれております。このような内容については全国PTA連絡協議会としての見解となります。
全国PTA連絡協議会が提供している事業やサービスは、予告なく変更または中止する場合があります。
↑