上部団体からの退会を検討されるPTA連合会が増えています。
自立したPTA連合会として

PTA連合会について
PTA連合会とは、
PTA連合会とは、単位PTAの集合体で、「P連(ピーれん)」などと呼ばれてています。市区町村郡、都道府県で存在し、「○○市PTA連絡協議会」「○○区立小学校PTA連合会」「○○県PTA協議会」などさまざまな名称で呼ばれています。
PTA連合会の多くは、「各校PTAの横のつながりをつくり、地域に情報発信する」「学校横断的な声や要望をまとめ、行政に伝える」などを目的に、研修会や講演会の開催、広報活動、地域行事の開催などを行っています。
単位PTAでは
単位PTAの目的や活動にとって、必要である考えられる市区町村郡PTA連合会ですが、PTA連合会から退会をする単位PTAも少しずつ増えてきています。
退会後は、単独で活動するケースや、全国PTA連絡協議会の単位PTA会員に登録いただくケースもあります。
上部団体からの退会は、充て職などがなくなるなど単位PTAとしての負担軽減につながることもあり、任意団体として自立した活動ができる組織運営は、単位PTAの新しいあり方とも考えます。
PTA団体として自立した活動を行うには、活動のアップデートにつながる情報収集ができていること、必要な場合に地域連携ができるネットワークがあることへの配慮も必要と考えます。
地域のPTA連合会では
地域のPTA連合会である市区町村郡PTA連合会においては、加入する上部団体(都道府県単位のPTA連合会)から退会を選択するケースが少なからず増えています。
2024年3月末の段階では、さいたま市、千葉市、愛媛県松山市、高知県高知市、奈良県奈良市、神奈川県横須賀市などの市P連が、県PTA連合会を退会しています。この後も複数の、市区町村郡PTA連合会による上部団体からの退会が続いています。
岡山県では、2024年3月末に岡山市や倉敷市による県PTA連合会退会などがあり、2025年3月末で岡山県PTA連合会自体が解散となっています。
当協議会では、各単位PTAの地域単位での集合体である、地域のPTA連合会は必要な組織であると考えています。
地域のPTA連合会は、単位PTAをサポートするための団体であり、単位PTAは、子どもたちのために活動する保護者と先生の団体です。
本来は、PTA連合会も含めたPTA団体と保護者が、なるべく負担を減らし、必要なサポートをしあえる地域活動となることが理想的です。地域活動も、時代が変化する中では、活動目的や組織のあり方も含め、明瞭性、柔軟性、多様性を意識したアップデートが必要です。
当協議会では、単位PTAと地域PTA連合会、そしてその担い手である保護者や地域の皆様に向けた情報発信や各種のサービス提供を行うことで、今後もPTAを含めた地域活動のサポートを続けて参ります。
- 参考:
- 問われる「P連」の存在意義。今、“退会”が加速している理由とは?
PTAを束ねる連合会に疑問の声(外部サイト: All about ≫ )
地域のPTA連合会のあり方
当協議会では、地域の単位PTAの集合体である地域のPTA連合会(市区町村郡PTA連合会)のあり方について、以下のように考えています。
情報共有の機会を提供
PTA連合会が果たしている大きな役割の一つが、PTA会長など単位PTAのリーダー同志が、情報交換ができる機会を提供することです。
単位PTAの会長や副会長が、地域の教育課題などについて定期的な情報交換は行うことは、単位PTAとしての活動して必要なことと考えます。
単位PTAとして、PTA活動のアップデートやより良いPTA活動を考える際「他校のPTAはどのよう取り組みをしているのか」「どんな成功事例があるのか」などは、非常に重要な情報です。多くのPTAが課題に感じているテーマを基にした事例発表、外部講師招いたセミナーなども開催可能です。
地域や行政との連携
公立学校の設置者は各自治体であり、地域における課題や取り組みなど、地域住民や行政に対するカウンタパートとして、PTA連合会の果たすべき役割は重要です。
校長会や教育委員会との定期的な意見交換会を実施しているPTA連合会も数多くあり、単位PTAだけではなし得ない広い視点での意見交換できます。
各単位PTAでは、地域性、土地柄や伝統があるなど、それぞれの学校ならではの個性を持っています。
特色ある取り組み、あるいは伝統的に行われている活動など、学校単位の取り組みとして、単位PTAだけでも対応可能なことも数多くあると思います。
一方で、PTA加入意思確認の実施、PTA会費による不適切な寄付、給食費の無償化、地域の安全、災害時の対応など、地域の課題への取り組みには、地域のPTA連合会の力が必要です。
是正すべき地域の課題
現在進行形で取り組み中であったり、既に解決済みのPTA連合会もありますが、地域のPTA連合会として、会員校である各単位PTAが是正すべき課題の確認も必要です。
- PTA加入意思確認を行う任意加入制の導入
- 個人情報の「取得・利用」「保管・管理」「提供」「開示等」の適正化の推進
- PTA会費の適切な使途(前例踏襲的な学校への寄付・寄贈の見直し)
- 任意団体としてのPTA連合会の規則や運営方法
都道府県のPTA連合会のあり方
当協議会では、地域のPTA連合会の集合体とも言える都道府県や政令指定都市を単位とした広域のPTA連合会のあり方について、以下のように考えています。
より大きな課題への取り組み
いじめ問題、不登校問題、SNS利用リスク、教育費の負担軽減、教員の負担軽減など、より大きな課題については、都道府県などのPTA連合会が取り組むべき課題と考えています。こうした問題については、全国PTA連絡協議会としても積極的に情報発信を行っています。
市区町村郡PTA連合会だけでは解決が難しい課題や取り組みについては、都道府県などのPTA連合会がとりまとめ、行政との情報交換や提言などの活動を行うべきと考えます。
活動報告などの広報
都道府県などのPTA連合会の活動に接点のある保護者の皆様を除き、PTA会費の中から連合会の会費(分担金)を負担しているにも関わらず、上部団体加入メリットを感じていない場合もあります。
PTA連合会でも、広報紙やホームページなどでの情報発信をされていますが、各単位PTAの保護者の皆様が必要性を理解しやすい仕組みづくりが必要であると考えます
例えば、行政への要望項目の一覧はよくありますが、要望の結果どのような成果があったのかの検証や公表については、事例が少ないのが現状です。
充て職のよう場合でも、出席した会議の報告やPTA連合会としての発言なども広く情報共有すべきことと考えます。
多くの保護者は、長く続いてきた事業だから継続するではなく、負担と効果に納得できる事業の実施を求めています。特に、地域のPTA連合会の上部団体である都道府県などのPTA連合会対しては、会費に見合うメリットがあるかを考える保護者が増えています。
事業の選択と集中
加入団体からの会費(分担金)以外にも、地域のPTA連合会が、安全会や団体補償制度などを運営している場合、集金事務費や制度運営費などの収入がある場合が一般的です。
以下に挙げたものは一例ですが、PTA連合会が担うべき事業は多数あります。一方で、限られた予算の中で、地域の状況に応じた助成制度や還元方法などを含め、事業の選択と集中も必要となります。
- 保護者を対象にしたセミナー開催
- 子どもたちを対象とした地域イベント開催
- 子どもたちに対する表彰事業(各種コンクールなど)
- 保護者や教員、単位PTAを対象としたアンケートの実施
- 単位PTAの活動に対する表彰事業(広報活動など)
- 単位PTAへのIT導入支援(一括契約や導入時の講習会開催や費用負担軽減策など)
- 地域PTA連合会の代表が参加するイベント開催(スポーツ大会など)
- 地域PTA連合会が共有できる備品の購入や管理(イベント用のトランシーバーなど)
- 地域のPTA連合会として推奨すべき事業(例えば先進的な取り組みで他の単位PTAへの波及が見込まれる事業など)を行う単位PTAへの助成
時代と共にPTAを取り巻く環境は大きく変わっています。
連合会活動のアップデート考える際、オンライン会議の活用も選択肢のひとつです。以下のような視点で、リアルとオンラインを機会に応じて使いわけるなど、ICT技術の積極的な利活用は、スマートなPTA活動につながります。
- 人間関係を深めるたり、本音の会議にはリアル会議が必須
- 資料やサイト情報などを駆使しながら議論ができるオンラインは効率的
- 外部講師を招いたセミナーは、費用や負担の軽減、配信も考えるとオンラインは最適
- オンラインなら録画機能だけでなく、AIの議事録や要約などが活用可能で事務局負担は大幅減
地域のPTA連合会としての課題
単位PTAの課題
地域のPTA連合会(市区町村郡PTA連合会)へ会費を払う、単位PTAは、以下のような課題に直面しています。- 任意加入により未加入者が増え、単位PTAとしての会費収入が減少
- 国としての出生数減少傾向が続く中、入学する子どもたちの数にも影響
- 市区町村のPTA連合会の必要性は理解できるが、都道府県PTA連合会には接点が少なく、加入意義について会員への説明ができない
上部団体に関するの課題
上部団体(都道府県PTA連合会)に会費を払う地域のPTA連合会は、以下のような課題に直面しています。- 支払っている会費が、適正に還元されないと感じていること
- 上部のPTA連合会の活動そのものを負担に感じていること
- 上部のPTA連合会の活動内容に意義を感じられないこと
- 上部のPTA連合会を退会しても困る事がないと感じたこと
事前準備として、活動のアップデートや運営費の検討も大切です。
自立したPTA連合会として
あり方のアップデートを検討
都道府県PTA連合会から退会し、自立したPTA連合会として活動する運びとなった理由はなぜかを今一度考えるなど、単位PTAにとって必要とされる地域のPTA連合会のあり方について議論することが大切です。
アップデートにあたっては、続けてきた仕組みや事業を継続することも重要ですが、前例踏襲的な仕組みや事業についても十分な話し合いが必要です。議論のポイントしては以下のような観点が考えられます、
- 子どもの健全な成長をはかるための活動につながることか?
- 単位PTAまたはその会員である保護者・教員が、求めている事業なのか?
- 費用対効果はどうなのか、他の方法はないのか?
- 保護者と学校、保護者同士、地域、学校と地域への影響はどうなのか?
- 行政への要望書(実現された事業を精査)
- 懇親会、研修旅行は今後も必要か?
- 充て職と呼ばれる会議出席のあり方
求められる活動は何か?
地域のPTA連合会(市区町村郡PTA連合会)は、単位PTAあって組織であり、単位PTAは、会員あっての組織です。
保護者が参加したくなる単位PTA作りへのサポートは、PTA連合会が単位PTAから求められている大切な役割の一つだと考えています。
既に、実施済みの事例もあると思いますが、以下、市区町村郡の連合会での取り組みの一例です。事例の中には、当協議会が提供しているサービスを利用いただける場合もありますので、お気軽に お問い合わせ ≫ ください。
- 単位PTAへのメール配信システム導入(単位PTAにアカウント提供)
- 保護者へのメール配信システム導入(行政との連携)
- 子どもたちの通学路など地域安全確保(人的対応やシステム導入)
- 単位PTAにおける保護者間コミュニケーションツールの導入支援
- PTA室におけるインターネット環境の整備
- 単位PTAにおけるオンライン会議の導入支援
- 単位PTAの実態集約と広報(単位PTA対象の地域アンケート実施)
- 保護者の意見集約と広報(保護者や教職員対象の地域アンケート実施)
- 意見集約の活用(行政との連携、地域への広報)
- PTA連合会が行う研修会などへのオンライン会議システムの利活用
- 給食費の公会計化に関する対応(行政との連携)
- PTA会費集金の負担軽減
- 保護者への課題共有セミナー(給食費の無償化、教育費の負担軽減など)
- 他の単位PTAでの事例共有、ノウハウ提供
- 地域の方に向けた広報活動(地域向けの連合会公式LINEアカウントなど)
財政面での組織運営
地域のPTA連合会の運営
地域によっては、市区町村PTA連合会に対し、事務所利用の便宜や人的支援などを行っている自治体もありますが、一般的には、市区町村PTA連合会の運営は、会員団体である単位PTAから会費(分担金)が主な財源となっています。
都道府県PTA連合会の運営
都道府県PTA連合会の運営は、市区町村PTA連合会からの会費(分担金)と、保険関連の収入で賄われているケースが一般的です。保険関連の収入の多くは、PTAが加入する保険から生じるものでなく、保護者の皆様がご家族のために加入する団体契約扱いの子どもの保険によるものです。
具体的には、団体契約として皆様にお支払いいただく掛金に含まれている制度運営費※でや、団体契約者としての都道府県PTA連合会が保険会社から受け取る集金事務費が、団体契約者であるPTA連合会の収入となっています。
地域によっては、民間の保険会社でなく共済制度となっていたり、団体契約者がPTA連合会本体でなく、OBなどの団体の場合もあります。形式はさまざまですが、実態は近い運営形式であると思われます。
- 制度運営費は、事務運営費など団体により名称は異なります。制度運営費の金額は、保険料に関わらず固定金額の場合や、保険料に対する比率の場合もあります。
- 当協議会の会員登録は上部団体への加入状況に関わらず、PTA連合会としての会員登録をいただけます。詳しくは ≫
財政面で自立した市区町村PTA連合会
都道府県PTA連合会を退会し、市区町村PTA連合会として活動する団体の中には、子どもの保険事業の運営に関して、以下のような事例があります。
- 市区町村PTA連合会を団体契約者として、民間の保険会社と契約して独自の補償制度を作り、制度運営費や保険会社から受け取る集金事務費を連合会の活動経費に充当
- 全国PTA連絡協議会が団体契約者となっている補償制度を利用して、PTA活動助成制度 ≫ を、PTA連合会として申請
団体契約者であるPTA連合会が、分保険料に制度運営費を上乗せした掛金を設定したり、保険会社から集金事務費が受けとれるのは、団体契約の仕組みによるものです。
団体契約には、団体の状況により保険料の割引制度が適用されるため、割引率の状況により、保険料に上乗せされた制度運営費を考えても、個人で同種の保険に加入するよりお手頃であるとされています。
このように、団体契約は、分加入者である保護者の皆様だけでなく、団体契約者であるPTA連合会にとっても大きなメリットがあるため、都道府県PTA連合会などが団体契約者となっています。
保険会社による割引制度の具体例としては、以下のようなものあります。
- 加入者の人数(1,000人、3,000人、5,000人、10,000人など)
- 過去の保険事故発生率(保険会社の計算式による)
PTA連合会関連情報
